ロシアからの訪日客が倍増 欧州よりビザ取得容易、反感薄く

 【モスクワ共同】ロシアからの訪日客が今年11月までの累計で、昨年比で倍増して約18万6千人となり、年間総数の過去最多を記録した。ウクライナ侵攻後にビザ取得を厳格化した欧州と比べ取得が容易で、日本国内の反ロシア感情が希薄なことが背景にある。

 12月平日の早朝、氷点下10度の寒空の下、首都モスクワの在ロシア日本大使館前には長い列ができていた。「欧州に行くためのビザは1カ月以上待つこともあるが、日本の場合は数日で手に入る」。会社員アナスタシア・ベトキナさん(24)は来年3月に桜を見に訪日予定という。30代男性は「政府は日本を『非友好国』というが、欧州で感じるロシア人差別が日本にはない」と話した。

 大使館によると、ロシア人のビザ手数料は無料で、最短4日間で取得可能だ。一方、欧州連合(EU)は2022年のウクライナ侵攻後、ロシア人のEU域内へのビザ取得優遇措置を廃止。申請料金を倍以上にし、提出書類も増やしている。

 今年ロシアの通貨ルーブルが対ドルで上昇し、円安でツアー代や滞在費に割安感があることも追い風となった。

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