室蘭で中国人犠牲者564人悼む 響く「生きた証し」、市民が企画
太平洋戦争中、軍需産業が盛んだった北海道室蘭市に強制連行され、過酷な労働の末に命を落とした中国人犠牲者564人の名前を読み上げる追悼行事が15日、同市で初めて開かれた。集まった市民ら約50人は、犠牲者一人一人の名前に思いを寄せ、生きた証しに向き合った。
主催した市民団体「憲法を守る室蘭地域ネット」代表の増岡敏三さん(82)らによると、戦時下の労働力不足を補うため、室蘭市には1944~45年に1800人を超える中国人が強制連行された。主に港湾や工場で、石炭や鉄の荷役などの危険な重労働に従事させられた。栄養失調や過酷な労働環境により、564人が死亡した。
増岡さんは、室蘭市で市民が犠牲になった空襲や艦砲射撃の話は語り継がれる一方、「加害の歴史は十分に語られなかったのではないか」との思いから、追悼行事を企画した。
追悼の輪に加わった室蘭市の上西英子さん(82)はかつて、同市で強制労働を経験した中国人から証言を聞いた。この日、14人の名前を読み上げ「二度と同じ犠牲があってはならない」と目を潤ませた。
