東条、虹波研究医に2万円 病気見舞金か大学会報記録

 戦時中に旧陸軍が開発を進め、ハンセン病患者に臨床試験で投与された薬剤「虹波」を巡り、当時の東条英機首相兼陸相が、研究を主導した医師に病気見舞金2万円を渡したとみられることが24日、分かった。熊本大医学部同窓会会報に記録があった。戦後に医師が「一度は大金持ちになった」と振り返り、識者は「東条が研究に関心を示していたことが分かる貴重な資料だ」と指摘する。

 虹波は写真の感光剤を応用した薬剤。寒冷地での凍傷対策などを期待した旧日本陸軍が機密研究を進めた。主導した波多野輔久医師らが1978年5月23日、京都市で戦時中の研究生活を4時間近く振り返った記録を、79年3月発行の会報「熊杏」が掲載している。

 会報によると、波多野医師が病気になり、委託機関トップの陸軍中将が42年か43年に入院先に見舞いに訪れた。中将から「東条閣下のポケットマネーで、礼状を出してもらわない方が結構だ」と告げられ、2万円の小切手を受け取った。

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