水俣病の差別と分断、今もなお 患者や被害者、広がる落胆

 「差別と分断がまだある」。熊本県水俣市で30日に実施された水俣病の患者や被害者らと、石原宏高環境相との懇談。救済を訴えても届かない現状に落胆が広がった。水俣病が公式確認されたのは1956年5月1日。水俣病被害市民の会の山下善寛代表(85)は「なお終わっていない。環境省や県はなぜかと考えたことがあるのか」と問いかけた。

 公害健康被害補償法に基づく患者認定は国の審査基準が厳しく、漏れる人が相次ぐ。「大臣の政治決断しかない」と迫られた石原氏は「今までの経緯があり、乗り越えられる材料が見いだせない」と述べるにとどめた。

 2度目の政治決着となった特別措置法施行でも救済対象外となった人々は多数おり、集団訴訟が続いている。原告団長の森正直さん(75)は「もう私たちには時間がない。亡くなったら、どんな救済策を考えるんですか」と詰め寄った。

 石原氏は懇談に先立ち、複数の患者向けの施設を訪問。永本賢二さん(66)は、患者間でも補償の内容が異なる状況に「同じ症状なのになぜ差別するのか」と憤った。

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