自衛官の自殺、国に賠償命令 パワハラ指摘、いじめは認めず

 陸上自衛隊白老駐屯地(北海道白老町)に所属していた陸士長川島拓巳さん=当時(19)=が2012年に自殺したのは、先輩によるいじめに陸自側が対処しなかったからだとして、母の五月さんら遺族4人が国に計約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は9日、国に110万円の支払いを命じた。「パワーハラスメントと評価されうる指導があった」としつつ、いじめ行為とは認定しなかった。原告側は控訴する方針。

 守山修生裁判長は判決理由で、拓巳さんは発達障害の疑いがあり、不眠症状も抱えていたと指摘。陸自側が、拓巳さんと同室で生活指導を行う立場の先輩に対し、病状や配慮の必要性などを伝えなかった点で安全配慮義務に違反したとした。

 他の先輩が男性の指導中にほおをたたいたり、先輩自身が座っていた椅子を蹴って壁に当てたりしたとして「パワハラと評価されうる指導があったことも否定できない」とする一方、自衛隊内の指導は服務規律を背景とした厳しい内容を含むとし、いじめ行為とは認定しなかった。自殺の予見も困難だったとした。

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