中国人踏切死亡で賠償請求 外国語表示なく誤認と主張

 神戸市垂水区で1月、訪日旅行中に山陽電鉄の踏切内で電車にはねられ死亡した20代の中国人女性2人の両親が、山陽電鉄と運転士に計約1億3900万円の損害賠償を求め神戸地裁に提訴したことが5日、分かった。

 現場は日本語の注意書きしかなく、2人が踏切内にいたのは待機場所を勘違いした可能性があると主張。訪日客が増えているのに同社が危険性が高い踏切の事故防止対策を怠り、運転士も注意義務を怠ったとしている。

 訴状によると事故は1月9日午後に発生。2人は踏切の遮断機の内側に立っていた。

 原告側は、2人が線路と並行して走る国道の横断歩道を渡ろうと信号待ちをしていたとし、踏切の内外や信号待ちの場所を誤認していた可能性を指摘。踏切の中央付近に「ここは踏切内です」と日本語表示はあったが、立地や構造上も誤認しやすく、事故を誘発する危険性が極めて高かったとしている。

 原告側代理人は取材に、中国は鉄道の踏切が非常に少なく、渡り方を知っている人はごく少数だと説明。山陽電鉄の担当者は「訴状を受け取っておらず、コメントできない」とした。

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