日中対立、打開策見えず 高市氏答弁1カ月、影響拡大
高市早苗首相が衆院予算委員会で「台湾有事は存立危機事態になり得る」と答弁してから7日で1カ月。反発する中国は訪日自粛要請やイベント中止といった対抗措置を打ち出し、影響が拡大している。首相は台湾に関する従来の政府見解を維持していると説明し、対話継続の姿勢を強調するものの、打開策は見えない。中国の日本批判に対しては客観的証拠を示して反論。第三国に日本の立場を説明する「外交戦」も模索する。
中国の航空各社は5日、日本路線の航空券の取り消しや変更に無料で応じる期限を今月31日から来年3月28日に延長すると発表した。中国外務省が11月に国民へ日本訪問を控えるよう呼びかけ、観光業を中心に影響が出ている。中国の対抗措置は、日本産水産物の輸入手続き停止や日本人歌手らの公演中止に及ぶ。
首相は3日の参院本会議で「台湾に関する政府の基本的立場は、一切の変更はない」と強調した。
ただ、中国外務省は首相の説明に対し「受け入れられない」(林剣副報道局長)と拒否。日本との対話についても首相答弁の撤回が必要との立場を崩していない。
