始業から2時間で「もうやることがなくなった」50代管理職 昼食は行列店でとんかつ定食、午後は社内で昼寝…これぞサラリーマンの理想?【漫画】
「仕事がない」ことを逆手に捉え、悠々自適に過ごす会社員がいたら…そんな管理職の1日を描いた漫画『不労所得という言葉は、サラリーマンにこそふさわしい』(作:長さん)がSNSで注目を集めています。
物語は、始業からわずか2時間で「もうやることがなくなった」という主人公・長さんの心の声から始まります。長さんは、「逃げ切り」をモットーとする50代の管理職です。
暇だと思いながら、自分抜きで組織が回っている状況を長さんは「管理職として成功と言えるのかもしれない」とも考えます。ここから始まるのが、なんとも長さんらしい自由時間です。
長さんはPC上で13時までの予定をすべて「非公開」にすると、早めの昼食へと繰り出します。外に出ると、普段なら長蛇の列ができている店が空いていることに気づき、満足そうに席につきます。
少し早めの昼食に選んだのは、大盛りのとんかつ定食です。大量のソースをかけ、肉、衣、米、そして“免罪符のキャベツ”までガツガツと平らげていきます。そしてデザートにプリンまで完食。
店を出ると「満腹だ。間違いなくこのままでは仕事どころではない」と自覚する長さんですが、こんなときのためにちょうどいい場所があるといいます。それは社内の「テレワークブース」でした。外からは中で何をしているのか分からないことから、長さんはたっぷり1時間の昼寝を決行します。
その後、何食わぬ顔で自席へ戻ると、承認申請が55件も届いていました。これを「午後の暇つぶしにちょうどいい」と次々と片付けていき、定時と同時に退社します。
その足取りは軽く「不労所得という言葉は、サラリーマンにこそふさわしい」と考えながら、長さんは夜の街へ消えていくのでした。
読者からは「実力のある部下をまとめているスキルの高さ」や、「この状態に持ってくるまでにかなり苦労しているはず」といった声が多くあがっています。そんな同作について、作者の長さんに話を聞きました。
■こういう過ごし方も、やろうと思えばできてしまうのではないか
- 同作には実際の体験談も含まれているのでしょうか?
今回描いた一日の過ごし方は、私自身の実体験ではありません。会社員として働くなかで、「こういう過ごし方も、やろうと思えばできてしまうのではないか」と感じたことが、発想のもとになっています。
ただ、自分で実行するには良心がとがめるので、実際にはやらなかったことを、主人公に代わりにやってもらいました。いわば、頭の中で考えたことを漫画にした形です。そのなかにリアルさを感じていただけたのであれば、うれしく思います。
- 「不労所得」という言葉に込められた思いを教えてください。
管理職として働くなかで、強い解雇規制に守られている会社員の地位の強さは、日頃から強く意識しています。極端にいえば、仕事をしなくても一定の給与や処遇が維持されることがある。そうした立場の強さを、皮肉を込めて「不労所得」と表現しました。
もちろん、会社員全体が働いていないと言いたいわけではありません。実際の働きぶりや貢献と、給与や処遇が必ずしも一致しない。そうした会社員の世界の一面を、主人公の一日を通じて、少し誇張して描いたつもりです。
- 同作に寄せられた反響をご覧になって、どのように感じられましたか?
描かれていない背景にまで想像を広げていただけるのは、ありがたいですね。単にのんびりしていると見る方もいれば、そこに至るまでの経験や、周囲との関係を感じ取ってくださる方もいる。その受け止め方の違いを、面白く感じています。
読者の皆さんが、ご自身の仕事の経験などを重ねて読んでくださっているのかなと思います。作者から「こういう人物です」と説明しすぎず、それぞれの見方で楽しんでいただける余地は、これからも大切にしたいです。
(海川 まこと/漫画収集家)
