「修理代7万円です」高速道路で飛び石→レンタカーのフロントガラスにヒビ 補償プランに加入していたのに…なぜ「補償対象外」に?【FPが解説】

旅行中のAさんはレンタカーで高速道路を走っていました。すると突然、フロントガラスに何かが当たった音がして驚きます。慌てて近くのサービスエリアで停車し、フロントガラスを確認すると、小さなひびができていました。どうやら、直前まで前方を走っていた車が小石を跳ね上げたようです。

これを見たAさんは、サービスエリアからレンタカー会社に連絡し、指示を受けたうえで走行を続けました。そして返却時にも、ひび割れの経緯を改めて説明したのです。するとレンタカー会社からは「ガラス修理代として、7万円かかります」と告げられます。

この対応に納得できないAさんは「補償プランに入ったのに修理費は支払わないといけませんか?しかも避けようのないトラブルじゃないですか」とレンタカー会社に質問しました。しかしレンタカー会社から返ってきたのは、「契約した補償プランでは、飛び石によるフロントガラスの損傷が補償対象外なんです」という回答です。

Aさんは、フロントガラスの修理費用として7万円を支払わなければならないのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの深川仁さんに話を聞きました。

■防ぎようのないトラブルで車に傷…補償されないケースがあるのはなぜ?

-レンタカーの補償プランに加入していても、飛び石による損傷が補償されないことがあるのはなぜですか?

レンタカーを借りる際には、利用者はレンタカー会社の貸渡約款や補償制度に同意して契約します。多くの約款では、利用中にレンタカーへ損害が生じた場合、借受人や運転者が一定の責任を負うことが定められています。そのため、避けることが難しい損傷であっても、契約上は修理費や営業補償の負担が問題になることがあります。

ここで注意したいのは、「補償プランに加入している=すべて自己負担なし」という意味ではない点です。補償プランによっては、修理費の一部に自己負担額が設定されている場合があります。また、ノンオペレーションチャージという、いわゆる休業補償の一部にあたる費用が修理費とは別に発生することもあります。

さらに、飛び石によるフロントガラスの損傷が補償対象になるかどうかは、レンタカー会社や加入した補償プランの内容によって異なります。

したがって、レンタカーを借りる前には、単に「補償に入るかどうか」だけでなく、フロントガラスの損傷、飛び石、タイヤ・ホイール、ノンオペレーションチャージなどがどこまで対象になるのかも確認しておくことが大切です。

-請求を取り止めてもらえることはあるのでしょうか?

請求の有無は、傷の場所や程度、貸渡約款や補償制度に基づくレンタカー会社の判断などで変わります。

たとえば、ボディのごく小さな傷とフロントガラスの傷では、扱いが変わることがあります。フロントガラスはひびが広がるおそれがあるため、安全面から修理や交換が必要と判断されやすい部分です。

また、申告のタイミングも重要です。傷に気づいても申告せずに返却すると、補償制度の適用に影響することがあります。多くのレンタカー会社では、事故や損傷があった場合、速やかに会社へ連絡し、必要に応じて警察や保険会社への手続きをおこなうことを求めています。

一方で、利用者が気づいた時点で正直に申告し、発生状況を説明していれば、会社側も約款や補償制度に沿って判断しやすくなります。

大切なのは、防ぎようのないトラブルだから仕方ないと自己判断しないこと。飛び石のような避けにくいトラブルであっても、まずはレンタカー会社に速やかに連絡し、指示を受けることが、その後のトラブル防止につながります。

-自分の自動車保険やクレジットカードの付帯保険で、レンタカーの飛び石トラブルをカバーすることは可能ですか?

自分の自動車保険に他車運転特約が付いている場合、レンタカーを運転中の事故が補償対象になることがあります。ただし、対象となる車の種類、運転者の範囲、補償される損害、車両損害まで含まれるかどうかは、契約内容で異なるため注意が必要です。

また、車両損害が対象になる場合でも、免責金額が設定されていたり、保険を使うことで翌年以降の等級に影響したりすることがあります。

なお、自分の車であれば、飛び石による窓ガラス破損は車両保険で補償される場合があります。ただし、レンタカーは、他車運転特約で車両損害まで対象になるかどうかを契約内容で確認する必要があります。

クレジットカードの付帯保険も同様です。カードの種類や利用条件によって補償内容が異なります。旅行傷害保険が付いていても、レンタカーの車両損害までは対象外になる場合もあります。国内利用の場合、レンタカーの修理費やノンオペレーションチャージが補償されないこともあります。

そのため、出発前にフロントガラス損傷や飛び石が補償対象か、ノンオペレーションチャージが免除されるか、他車運転特約やカードの付帯保険で車両損害まで対象になるか、といった点を確認しておくと安心です。

トラブルが起きてから確認すると判断を誤りやすいので、事前に補償の範囲と自己負担額を把握しておきましょう。

◆深川仁(ふかがわ・ひとし) 1級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士/M&Aシニアエキスパート

旧郵政省貯金局や郵便局で、貯金・金融サービスに関わった経験を活かし、現在はFPとして記事の執筆、セミナー講師、FP1級実技試験対策を中心に活動。note・Xでは、FP1級実技試験の受検生に向けて、面接試験対策や学習のポイントを発信している。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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