地方では海外が“遠い”…パスポート保有率マップで見えた地域差 関東・関西・愛知に集中、平均を上回ったのは9都府県のみ

パスポート保有率が平均以上の都道府県を可視化したマップがSNS上で大きな注目を集めている。件のマップを紹介したのはジオグラフィック航空アナリストのいつかいちくんさん(@itsukaichi_engi)。

日本人の平均パスポート保有率は17.2%(2024年現在)。マップによると関東圏の東京都、千葉県、埼玉県、関西圏の大阪府、奈良県、兵庫県、京都府、滋賀県、そして中京圏の愛知県だけがこの保有率を上回っているようだ。

いつかいちくんさんにお話を聞いた。

ーー今回のテーマに興味をもたれたのはなぜですか?

いつかいちくん:昨今の海外の物価高、 日本人の海外旅行への熱量の低下などに伴ってパスポート取得率が現状どうなっているか、また空港の立地など地理的制約により、都道府県ごとにパスポート取得率が大きく変わってくるのか昔から疑問に感じており、今回可視化マップを作成してみました。

ーーマップ作成を通して気づいたこと、興味深かったことは?

いつかいちくん:三大都市圏でパスポート取得率が高く、この点は国際空港の立地の観点から予想はつきました。

興味深かったのは、関西圏で比較的人口が少ない滋賀県や奈良県で平均以上であった点です。滋賀県の場合は、関空特急「はるか」で関西空港まで乗換0回でアクセスできる点、奈良県の場合も県内各地から関空までの直通バスが出ていることから、交通の便の良さが影響していると推察されます。

また滋賀県の場合はパナソニックやダイキンなど、海外進出している企業が多数立地しており、海外出張などの影響で取得率が高い点も推察されます。

ーーご投稿に対し大きな反響がありました。

いつかいちくん:コメントからは、「滋賀、奈良が奮闘している」「逆に福岡、埼玉が平均以下なのが意外」「所得水準と相関ありやね」「平均以下の県が半数以上やね」など多くの意見をいただきました。

三大都市圏でも平均以上に入っていない県や、東京や神奈川、大阪の取得率が高い一方で、半数以上の県は平均以下であることから、都市部と地方部で取得率に格差があることが読み取れる結果となりました。

昨今では、地方空港にも国際線LCCやチャーター便が乗り入れているところもあるため、わざわざ羽田や成田など経由せず、地元の空港から海外へ直行便で行ける県が増えています。それがきっかけで取得率が高くなる県も今後はありそうではあるので、今後の状況についても、個人的に注視していきたいと思います。

   ◇   ◇

SNSユーザーたちから

「やっぱり大きな国際空港への近さが大きそうです。 大学時代には大阪にいましたが、卒業旅行というと気軽に関空からLCCに乗って近場のアジアに行ったり、エミレーツに乗ってUAE経由でどこか行ったりしてましたからねぇ」

「空港近くの都府県に集中するのはわかる。海外旅行の宣伝にも差がある。埼玉県が滋賀奈良以下、平均以下なのはなぜだろう。大宮以南と以北で差が大きいのかな」

「首都圏や関西圏は国際空港があって外国人とも触れ合う機会が多くて海外が身近だけど、地方は国際線がないorあっても極東アジアしかない。外国人がほとんど来ない地域も多いし、海外が心理的に遠いんだよね。大抵の国へは東京、大阪を経由しなきゃ行けないという面倒さもあるし」

など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。読者のみなさんはパスポートを持っているだろうか?

日々、Xなどでさまざまな可視化マップや航空情報を発信しているいつかいちくんさん。航空系やマイルに関するお得情報を紹介する新ブログ『トラベル交通トレンド分析』も好評だ。いずれも丁寧な調査に基づいた気づきのある内容なので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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