「このままでは死んでしまう」寒波直前、風邪で弱った子猫2匹を保護、「葉っぱだらけの野良猫から美人姉妹に」
「葉っぱだらけの野良猫から美人姉妹になった気がする」
そんなコメントが添えられた1枚の写真。そこには、姉妹で仲良く寄り添う元保護猫の姉妹「ちゃこ」ちゃん、「ちょこ」ちゃんの姿が写っています。ゴールドの瞳とビロードのように美しい長毛の毛並みがとてもゴージャスです。
今は生後推定4カ月となり、飼い主さん夫婦に見守られ、幸せに暮らしているちゃこちゃん、ちょこちゃん。出会った当初は、公園で日々を生き抜いていたといいます。飼い主のXユーザー・Li 2匹の保護猫と日常さん(@2428index)にお話を伺いました。
■公園で出会った小さな子猫姉妹
2026年1月、公園の隅で元気に遊ぶ生後推定1カ月ほどの子猫たちを発見しました。おやつを少しあげてみると、警戒しながらもおいしそうに食べたといいます。それからは地域のルールを確認し、子猫たちの様子を見守る日々が続きました。
「だんだん愛着がわくも、引っ越しをしたばかり、かつ新居はペット不可住宅。これから新婚旅行も控えていたため、夫婦で『2年後、家を建てたらお迎えしたいね』と話していたんです」
それでも2匹の子猫に毛の色にちなんで、チャコールの「ちゃこ」、チョコレートの「ちょこ」と名前をつけてかわいがるようになりました。1カ月が経ち、生後推定2カ月ほどになった頃、ちょこちゃんの体調に異変が起こります。
「帰宅後、猫風邪について調べると、子猫にとっては命を落とすリスクがあることがわかりました。もうすぐ寒波が到来するというタイミング。この子たちを助けたいという思いが強まりました」
翌日、再び様子を見に公園を訪れると、今度はちゃこちゃんも風邪をひいていました。いたたまれず、夫婦で話し合いをおこない、結果、2匹を保護することを決断。出会ってから1カ月ほど経ったころのことでした。
■寒波到来、保護を試みることに
早速、公園へ保護に向かった飼い主さん夫婦。ちゃこちゃんは、ご飯中は触らせてくれる子だったので抱っこを試みたところ、噛んで暴れて引っ掻いて逃走。子猫とはいえその力強さに驚き、考えが甘かったと知ることになりました。
怖がらせてしまったため、もう二度と近寄ってきてくれないかもしれないと思い、心が折れかけましたが、「このまま死なせるわけにはいかない」と思いなおします。
「液状おやつを温めたものを用意して、再び、保護を試みました。すると、ちゃこは怖がってはいるものの、こちらを見て鳴く。その声が助けを求めているように感じられ、あきらめずに2度目の保護を試みたんです」
そして、2026年2月3日、ちゃこちゃんの保護に成功。すぐに事前に調べておいた動物病院に連絡をし、連れて行きました。
「無事に保護することができた安堵から、夫婦で泣きました。ちゃこは熱が41度もありましたが、肺炎などの重症化はしておらず、点滴と薬とご飯で回復できるだろうとのこと。ケージが届くまでは、段ボール箱で一時的なハウスを作ることにしました」
■残されたちょこちゃんの保護、苦戦の末に…
ちゃこちゃんのケアを続けながらも頭を離れなかったのは、もう1匹のちょこちゃんのこと。保護しようにも、ちょこちゃんは、まったく近寄って来ない子で、風邪をひいて食欲も低下しているとなるとご飯で誘うこともできません。保護することが非常に難しい状況にありました。
自分たちで保護することは難しいと判断し、保護団体に連絡し、手伝ってもらうことに決定。それと同時に、ちゃこちゃんのケアと、ペット可の物件探しもはじめました。
「ちゃこは、不安から夜鳴きが続き、丸2日ほど眠れない日々を過ごしました」
ようやく届いたケージを組み立て、ちゃこちゃんを移動。その夜、保護団体の方の助けをかりて、ちょこちゃんの保護を試みましたがーー
「ちょこは捕獲機に入ってくれず失敗しました。やむをえず、捕獲機をかりて、翌日、単独でちょこの保護を試みることになったんです」
2026年2月5日の朝、再び、公園へ行くと、ちょこちゃんはこちらを見ながら、初めて鳴き声をあげました。「絶対に2匹とも救いたい。お願い。捕獲機に入って」と祈るような気持ちだったといいます。
「保護団体の方からは、ちょこの健康状態の悪化から『もしかしたら明日には弱って死んでしまうかも』と言われていたため、どうしても今日保護したいと思いました」
捕獲機の入り口、すぐ前に座ったちょこちゃん。ふだんはこれほど近づくことはなかったため、「よほど弱っているんだな」と、飼い主さんは感じたといいます。
「2時間、根気よく待った結果、ようやく保護。結局、捕獲機には入ってくれず、夫が素手で抱き上げてキャリーケースに入れました」
そのまま、ちょこちゃんも病院へ連れて行くと、幸い肺炎にはいたらず、ちゃこちゃんと同じケアで大丈夫であることがわかりました。
■不安から夜鳴きも…保護数日後、変化が
飼い主さん夫婦の家はペット不可のため、急遽、夫の祖母の家の空き家へ移動しました。ちょこちゃんは病院で暴れたため、懐かないかもしれないと心配されていましたが、少しずつ優しく声をかけ、撫でていると次第に落ち着いてきたといいます。
「急に見知らぬところへ連れてきてごめんね。私たちが温かいおうちと、おいしいご飯を用意して、これから愛情をたっぷり注ぐからね。少しずつおうちに慣れていこうね……という気持ちでいっぱいに。ちょこは、不安そうではあったものの、暴れたり、噛んだりせず、とてもいい子にしていました」
最初は、警戒してご飯や水にも口をつけなかったため、2日間ほどはシリンジを使って食べさせました。そうして、ちゃこちゃんは保護4日目を迎えるころになるとーー
飼い主さんに抱っこされるようになり、すっかり甘えん坊に。一方、ちょこも保護2日目には、抱っこされてくれました。
「ちゃこが甘える姿を見て、『愛情ってちゃんと伝わるんだな』と感極まりました。ちょこはとても臆病なぶん、とても甘えん坊であることがわかりました」
こうして、大寒波が来る前に、ちゃこちゃんとちょこちゃんは、飼い主さん夫婦のもとで新たな暮らしを始めることになったのです。
■保護から数日、いよいよ姉妹が再会へ
保護後は、別々のケージで過ごしていたちゃこちゃんと、ちょこちゃん。それぞれが落ち着いた頃合いを見計らって、保護から数日後、姉妹を再会させてみることにーー
血のつながりはあるものの、仲が良いとは限らないため不安もありました。まずは、ケージの中にいるちゃこちゃんと、扉越しにちょこちゃんを会わせてみると、ちゃこちゃんは、ケージの中からちょこちゃんに手を伸ばしました。
「大丈夫そうだと思ったので、ケージの扉を開けてみることにしました。すると、ちょこが、ケージの中にすっと入ったんです。ちゃこは、入ってきたちょこを優しく迎え入れ、毛づくろいをしてあげました」
仲良く過ごす2匹を目にした飼い主さんは、あらためてその喜びをかみしめました。
「先にちゃこが家にいたおかげで、警戒心の強いちょこは家に慣れるのがスムーズだったと感じています。一緒に保護することができて本当に良かったです」
■性格は正反対? 幸せに過ごす日々
飼い主さん夫婦は、その後、ペットと暮らせる物件をみつけて、2匹と一緒に引っ越しをしました。
現在、生後推定4カ月を迎えたちゃこちゃんとちょこちゃん。よく似ているふたりですが、見分け方があるそうです。黒目が大きく“たぬき顔”、体は大きめ、耳の毛が白く毛色が黒っぽいのがちゃこちゃん。一方、キリッとクールな顔立ちで、体は小さめ、被毛の色合いが茶色がかっているのがちょこちゃんです。
「ちゃこは、のんびり甘えん坊。最近は臆病なところもみられ、何よりもご飯が好き。ちょこは、元気活発で好奇心旺盛で、ご飯より遊びが好きです。ふたりともよく一緒に仲良く遊んでいます」
かつて公園で過酷な日々を過ごしていた姉妹は、今、温かな家で、飼い主さん夫婦の愛情を一身に受けながら、幸せな毎日を送っています。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
