「その話、聞くメリットある?」と冷たい一言 夜景レストランでプロポーズした年収1000万の男が豹変 モラハラ夫を婚活中に見抜くには?【カウンセラーが解説】
30代の女性Aさんは、婚活パーティーで「素敵だな」と思える男性と出会いました。見た目もタイプで、人当たりもよく、なんと年収は1000万円。そこで「絶対にこのチャンスを逃すわけにはいかない」とAさんはアプローチを重ねます。
交際は順調に進み、Aさんは夜景の見える素敵なレストランでのプロポーズを受けることに。ついに年収1000万円超えのハイスペックな彼とゴールインし、幸せな日々が始まるはずでした。しかし、いざ結婚生活がスタートすると、彼から自分を否定されるような言葉をかけられることが増えていったのです。
ある日、「今日、会社で嫌なことがあって…」とAさんが話しかけても、彼はパソコンの画面から目を離すことなく「その話を聞くことに、僕に何かメリットある?」と冷たい声で言い放ちます。まったく聞く耳を持たない夫の態度に、Aさんはすっかり話す気力を失ってしまいました。
結婚前はとても優しかったのに、彼はなぜ結婚した途端に豹変してしまったのでしょうか。心理カウンセラーの吉野麻衣子さんに話を聞きました。
■人は社会的地位を得ると共感力が下がる
-Aさんのケースのように、夫が結婚後に豹変してしまうのはなぜでしょうか?
実はこのような結婚後のトラブルについて相談を受けることは少なくありません。というのも、仕事で大成功して高年収を得ていることと家庭内でモラハラ気質(自己中心的で共感性のない態度)に豹変することには、心理学的に見て「極めて密接な関係」があるからです。
多くの女性は「仕事ができる人だから、家庭でも頼りになる優しい夫になるはず」と期待します。しかし実際は、ビジネスの厳しい世界で勝ち抜くために身につけた思考回路が、家庭というプライベートな空間で最悪の形で牙をむいてしまうのです。
彼が「話を聞くメリットはある?」と冷酷に言い放つようになった背景には、次の3つの心理的メカニズムが隠されています。1つめは、地位や権力が共感する力を奪ってしまうからです。
Aさんのご主人はビジネスの最前線で、感情を切り離し、数字や効率を優先する決断を繰り返されてきました。その結果、他人の痛みに寄り添う「共感力」が下がってしまったのです。Aさんの愚痴に対しても「費用対効果」でしか見られなくなっている悲しい状態といえます。
また、隠れナルシスト特有の極端な自己中心性がみえることも理由の1つです。ハイスペックな男性の中には、一見すると人当たりが良いものの、内面に異常な自己愛を抱える「過敏型自己愛(隠れナルシスト)」が潜んでいることがあります。
ウェルズリー大学のジョナサン・チーク教授らの研究によれば、このタイプは「自分のことで手一杯で、他人の感情のケアに時間や労力を割くことを極端に嫌う」という特徴があります。「自分は常に配慮されるべき特別な存在だ」と思い込んでいるため、妻から慰めや共感を求められると、「なぜ自分の貴重な時間を、無駄なことに使わなければならないのか」と無意識のうちに理不尽な苛立ちを覚えるのです。タイピングの手すら止めなかったのは、まさにこの自己愛の表れといえます。
最後に、妻をパートナーではなく所有物と見なしていることも理由と考えられます。モラハラ気質の男性は、結婚を「愛する人との共同生活」ではなく、「自分のステータスを完成させるためのプロジェクト」だと捉えがちです。
美しい妻や優秀なパートナーを、高級時計やタワーマンションと同じ「自分の価値を高めるトロフィー」として扱います。プロポーズの豪華な演出も、愛情表現というよりは「これだけの女性を獲得できる優秀な俺」を証明するためのプレゼンだった可能性が高いのです。
しかし、結婚して妻が完全に「自分の所有物」になった途端、釣った魚に餌をやる必要性を感じなくなります。「俺のモノである妻が、俺に愚痴という精神的負担をかけるなんて許せない」という歪んだ認識を根底に持っているため、無意識に態度が豹変してしまうのです。
-モラハラ気質の男性を見抜くポイントはありますか?
結婚という人生最大の決断で「地雷」を踏まないためには、年収や肩書きといった表面的な条件に惑わされず、相手の本質を見抜く必要があります。彼らの本性を暴くための、科学的根拠に基づいた3つのチェックポイントをお伝えします。
まずは、過去の恋愛の失敗や仕事の人間関係を「100%相手のせい」にしていないかです。交際中、彼に「過去の恋愛がなぜ終わったのか」もしくは「職場での人間関係や仕事の立ち位置」をさりげなく聞いてみてください。
もし彼が「元カノが感情的すぎた」「前の彼女はお金目当てだった」と、別れの原因を100%相手のせいにしたり、職場の人に対しても相手の悪口を言うなどしたりと、自分を被害者のように語るなら要注意です。自分の非を一切認められない人は、結婚後にトラブルが起きた際も「すべてお前が悪い」と責任転嫁するモラハラ夫になる可能性が極めて高いからです。
次に、身の丈に合わない「高価すぎる指輪」で見栄を張らないかを確認しましょう。「大きなダイヤの結婚指輪」は女性の憧れですが、実はデータを見ると危険信号でもあります。
モラハラ気質の男性にとって、無理をしてまで贈る高価なプレゼントは愛情の証ではなく、周囲への「見栄」です。同時に「これだけ高い物を買ってやったのだから、俺の言うことを聞け」という支配の道具になり得ます。
最後に、日常の会話に「見下し(軽蔑)」が混ざっていないかも重要です。交際中から、「君は女性にしては論理的だね」「その歳にしては綺麗にしているね」といった、上から目線の褒め言葉を使ったり、「本当に世間知らずだね」と冗談めかして能力を否定したりする発言がある場合は要注意です。
この「小さな見下し」を放置すると、結婚後には「君の話を聞くメリットはあるの?」という完全な人格否定へとエスカレートしてしまいます。
もし今、目の前のハイスペックな彼に対して「なんだか冷たい」「見下されている気がする」もしくは、反対に「やたらお姫様扱いしてくれる」という違和感があるなら、どうかその直感を信じてください。肩書きという眩しいフィルターを外し、彼の「本当の人間性」を厳しい目で見極めること。それが、あなた自身の心と未来を守る第一歩なのです。
◆吉野麻衣子(よしの・まいこ) 株式会社SMARTBRIDAL代表取締役社長/MBAホルダー/恋愛婚活心理学者/モデル
結婚相談所SMARTBRIDAL代表。「MBA(経営学)・心理学・AI・オンライン」を融合させた科学的根拠にもとづく戦略的婚活をサポートしている。全国数千社ある結婚相談所のなかで、0.19%未満の成婚マイスターの称号を取得。「離婚しない幸せな結婚」を理念に掲げ、どのような境遇の方でも幸せな結婚ができるよう導いている。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
