公園に遺棄された子猫を保護 相談相手もおらず不安な日々もSNSでの出会いに支えられ、“猫への恩返し”として始めた「こねこのがっこう」

保護猫ラオと不器用男さん(@lao0928)は、甘えん坊な元保護猫ラオくんの日常をSNSに投稿し、多くの猫好きに癒しを与えています。

猫と出会ったことで、人生が大きく変わった飼い主さん。猫愛が高じ、この春には「こねこのがっこう」と名づけたミルクボランティア活動を始めました。

■「猫に恩返しがしたい」と思ってミルクボランティア活動を開始

2025年9月、飼い主さんは段ボールに入れられた状態で公園の駐車場に遺棄されていたラオくんを保護しました。

お迎え後は動物病院に相談しつつ、お世話をしていたものの、何かあった時にすぐ相談できる人がいない不安は消えなかったそうです。そこで、これまで一度も使ったことがないTikTokやインスタグラムをインストールし、他の猫の飼い主たちと交流を始めました。

すると、予想以上の反響が…!視聴者からの投げ銭を辞退していても、ラオくんを推すファンたちがいて、その温かい気持ちに飼い主さんは驚きました。

「そういう経験はラオがもたらしてくれたものだから、猫に恩返しがしたいと思うようになりました」

頭に浮かんだのは、子猫を育てるミルクボランティア活動。まずはリアルな現状を知るために行政と相談することにしました。

しかし、「個人で保護活動を行う場合、多頭飼育崩壊のリスクがあるため、行政は個人に猫を預けることに慎重で、簡単には託してもらえないこと」を初めて知ります。

そこで、動物保護団体が主催する譲渡会に何度も足を運び、現状を学びつつ、保護活動への想いを伝え続けました。

すると、ある保護団体の代表者が理解を示し、活動に協力してくれることになりました。

「多くの子猫を育ててこられた保護団体さんの協力が得られて、心強いと感じました。現場の厳しさを知れたのは良い経験になりました」

■ミルクボランティアが有償でできる仕組みを作りたい

子猫を拾った人からDMを受け取り次第、子猫を引き取り、自宅で育て、譲渡につなげる。それが、「こねこのがっこう」のシステムです。

   ◇   ◇

子猫が多く生まれる春は、全国各地のミルクボランティアが対応できるように待機しています。現時点で寄せられたDMは1~2件ほどだといいます。

「全国各地のミルクボランティアさんたちはひとりで複数匹の子猫を育てている方も多いので、空きが少なくなってくる今後、DMは多くなると思います」

飼い主さんは「こねこのがっこう」の活動を通して、ミルクボランティアを増やしたいとも考えています。

「ミルクボランティアをしたくてもできない人は、時間や金銭面の負担が大きな理由になっていると思うんです。でも、少しでも報酬が発生すれば、ミルクボランティアは“仕事”として捉えることもできると思って」

「ゆくゆくは必要な備品を貸し出したり、ミルクボランティアをする上で大切な知識をまとめたマニュアルを作ったりしていきたい」と、飼い主さんは意欲を燃やしています。

■“自分に合う譲渡会”に出会いやすい社会にしたい

ミルクボランティアで育てる子猫たちについては、SNSで成長の様子を発信しながら、譲渡会で飼い主を探していきます。こうした仕組みにしたのは、譲渡会に足を運ぶ人を増やしたいという思いがあるためでした。

譲渡会は主催している保護団体によって会場内の雰囲気や譲渡条件が異なりますが、「厳しそう」「怖そう」という印象を持たれやすく、参加をためらう人も少なくありません。

しかし、譲渡会への参加者が増えることは動物保護団体の負担を減らすことや幸せな保護猫を増やすこと、生体販売をなくすことにつながります。

「譲渡時には僕も譲渡会へ参加します。普段、見ている配信者が会場にいるだけでも譲渡会へ行くハードルは下がると思うので。猫を迎えたいと思っている人が、“自分に合う譲渡会”に出会いやすくなるよう、サポートしていきたいです」

なお、飼い主さんは子猫を拾った時には、命を守るための適切な初動を心がけてほしいと呼びかけています。

「大切なのは、保温と動物病院の受診。月齢や症状によってミルクの量は変わってくるので、自己判断せず、医師に相談してほしいです」

大きなビジョンを見据えながらスタートさせた、「こねこのがっこう」。誰もが無理なく参加できる新しい保護活動の形として今後、より注目されることでしょう。

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

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