「ほんとに来たんだけど!?」名前を呼んでも来ない猫がパッと反応して、やってきた!…謎の音の正体はなに?
「ほんとに来たんだけど!?」
そんな驚きのコメントとともに投稿されたInstagram動画が話題になっている。使われているのは、「クルクルニャー」と聞こえる、猫を遊びに誘う鳴き声の音源だ。すると、爪とぎの上に座っていた愛猫・レンレンちゃん(保護猫、推定8歳)が、パッと顔を上げてこちらへ近づき、スリスリと甘え始めたのだ。
■「こんな音で本当に来るの?」半信半疑で再生
投稿した「レンレンちゃんの飼い主」さんは、以前アメリカのユーザーが同じ音源で猫を呼ぶ動画を見かけ、「こんな音で本当に来るの?」と興味を持ったという。
「その日、レンレンが爪とぎの上でちょこんと座っていたので、この音源を流しながら撮影してみました。実はその時が、レンレンにこの音を聞かせた初めての瞬間でした」
すると、レンレンちゃんはすぐにこちらを見て接近。足元にスリスリと甘え、明らかに“遊びモード”に入ったという。
「普段は名前を呼んでも毎回こういう反応があるわけではないので、余計に驚きました」。投稿後、コメント欄には、続々と“検証報告”が寄せられた。
「寝てた子が飛び起きました」
「うちの猫も来ました!」
「保護した猫がこの鳴き方してた」
「猫は来なかったけど、わんこが来ました」
「猫好きの夫が来ました」
■「母猫が子猫を呼ぶ声では?」という指摘
なかでも注目を集めたのが、「母猫が子猫を呼ぶ声ではないか」というコメントだ。
レンレンちゃんの飼い主さんはこう振り返る。
「ここまで反響があるとは思っていませんでした。“母猫が子猫を呼ぶ声”だと教えていただいたときは驚きましたし、うれしくもなりました。レンレンが私のことをお母さんだと思ってくれているのかな、と。想像かもしれませんが、そう思えること自体が幸せでした」
ちなみに、動画で使用したのはInstagram上の音源で、レンレンちゃんの飼い主さん本人の声ではないという。自身でも真似してみたものの「巻き舌のような部分が難しくてうまくできなかった」と笑う。
■なぜ成猫が反応する? 獣医師が解説
この現象について、獣医師の石井万寿美さんに聞いた。
まず前提として、「ネコ科の動物は本来、子どもの時期にしか鳴かない」と説明する。
「鳴くと狩りに不利になるため、野生のネコ科動物は成長するとほとんど鳴きません。しかし、イエネコは例外で、成猫になっても鳴くことができるのが大きな特徴です」
では、「クルクルニャー」に近づく行動は、警戒なのか、それとも遊びへの反応なのか。
「動画を見る限り、瞳孔が大きく開いている様子は確認できず、尾も膨らんでいません。少なくとも強い警戒反応ではないと考えられます。ただし、動画だけでは推測の域を出ませんが」
■母猫の呼び声の特徴とは
石井さんによると、母猫が子猫を呼ぶ声(クォーリング、ニャーリングなど)は、音響的に特徴があるという。
・高めの周波数帯
子猫は約2000~8000Hzの高音域に敏感で、母猫の呼び声はその帯域を多く含む。
・反復的なリズム
「ニャーッ、ニャ、ニャーッ」といった繰り返しや変調を伴う。
・強い抑揚
大きすぎず、しかし明確で注意を引きやすい構造。こうした特徴は、人間の“ベビートーク”に似た側面もあるという。
さらに興味深いのは、「子猫期の聴覚経験は成猫になっても長期記憶として残る可能性がある」という点だ。つまり、今回の音源が母猫の呼び声と似た周波数やリズムを含んでいた場合、本能的な注意反応や安心記憶を刺激した可能性も考えられる。
■繰り返し再生は大丈夫?
では、飼い主が同様の音源を繰り返し流すことに問題はないのか。
「適度な頻度であれば問題は少ないでしょう。ただし、過度に繰り返すとストレスになる可能性があります」
猫は音に非常に敏感な動物だ。刺激が強すぎれば、警戒や混乱につながることもある。
■猫は本当に“クール”?
レンレンちゃんは食いしん坊で、猫じゃらしが大好き。トイレの後や飼い主が寝る準備を始めると、家の中を鬼ごっこするのが日課だという。
「どんなに忙しくても、必ず遊ぶ時間を作っています。私たちにとって大切な絆の時間だからです」
猫はクールで独立しているイメージがあるが、実際は甘えん坊で、遊びを通じたコミュニケーションを強く求める存在だ。
「いつか思うように動けなくなる日が来るかもしれない。だからこそ、今この時間を大切にしたい」
“クルクルニャー”に駆け寄る姿は、単なる音への反応以上に、飼い主との関係性を映しているのかもしれない。あなたの愛猫も、試してみると…本当に来るだろうか。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)




