「本当にありがたい…」雪に埋まって1日30件も灯油配達 「燃料店」が感謝する客の対応とは?

ひざ上から腰ほどまで雪に埋まりながら灯油を届けることもある--。そんな現場で、灯油タンクまでまっすぐに除雪された“一本道”を見つけたとき、「本当にありがたい気持ちになる」と語った燃料店の投稿がXで注目を集めています。

投稿したのは、札幌市北区新琴似で昭和から三代続く「有限会社浜崎燃料店」の三代目店主。雪深い地域での給油の実情と、住民が整えてくれた通路への感謝をつづりました。

新琴似の冬は、記録的な大雪に見舞われることも珍しくありません。投稿主によると、灯油タンクまでの通路が整えられているケースは決して多くはないといいます。

「当店に限って言えば7~8割のお客様は特に雪かきをしてくれていないので、雪が積もったままの状態で給油しに伺います。ご高齢の方や、事情があって雪かきできない方、雪を自宅敷地内に貯めこむスペースがないお客様も多いのが現状です。ちなみに給油時は、ひざ上~腰くらいまで雪に埋まることがあります」

その中で、灯油タンクまできれいに除雪された光景を目にしたときは、「本当にありがたい気持ちになる」と語ります。

「この道を見つけたときは、給油後の精算時に必ず『ありがとう』を伝えるようにしています」

雪の中での給油は、身体的に大きな負担がかかるものだといいます。ホースの重さは「運動会で触ったことがある綱引きの綱くらい」と表現。朝はノズルガンが凍りつくこともあり、始業前に氷を割る作業が欠かせません。雪深い場所を歩くと、長靴の中に雪や氷が入り込むこともあるそうです。

「一歩一歩、雪の中を『漕ぐ』という表現が近いでしょうか。砂に足をとられるような感覚です。たまに、落とし穴級の深みにはまるときもあります。また、給油ホースも決して軽いものではないため、足元の悪さに加えて、重さ・不安定さなどの不自由さが加わり、全身に疲れが溜まるんです」

三代目の投稿主さんは継いで3年目ですが、先代の話として近年の降雪状況をこう振り返ります。

「過去数十年で雪が多い年は何度かあったものの、今年のような大雪は数年に1度レベルと記憶をたどっていました。最近だと3年前の2023年にも大雪が降りましたが、降雪量がこれほどまとまった年は珍しいとのことです」

冬は平均して1日30件ほど配達に回るそうですが、猛吹雪の日は状況が一変するのだとか。

「計画配送のお客さまが悪天候にあたったときは、やむを得ず諦める場合もありますが、そういう日に限って電話注文客の油切れが発生し、SOSの声があがります。嫌でも生命維持の危険性があるため、向かわなくてはなりません」

しかし、このような緊急対応をきっかけに、長い付き合いが始まることもあるといいます。また長年の顧客との関係については、こう語ります。

「お任せいただいている-、その一言に尽きます。頼まれる前に来てくれると喜ばれることもしばしばあります。数十年来・ご本人からお子様、お孫様までの代のお付き合いがあるお客様も少なくありません」

今回の投稿は、整った通路への感謝がきっかけでしたが、大雪のときは逆にこんな声をかけられることもあるそうです。

「頼まれる前に給油に伺うと、除雪しようと思っていたけどもう来ちゃったの?と言われ、その折に『除雪してなくてごめんね』と言われることがあります。」

投稿主さんは、地域の暖かな生活を支える責任についてこう述べました。

「いかに灯油を切らさず配達できるか、地域の皆様の暖かな生活を支えることができるか。今回のような大雪や交通障害に負けず、これからも続けていきたいと思います」

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス