実家暮らしの大学生「オレって天才だから」→母が入院、家事がままならなくなり…自分が恵まれた環境にいただけと気付く【漫画】

『天才』の定義は、人によって異なるのかもしれません。漫画家・にしのりさんの作品『オレって天才だから』は、デザイナーを夢見る大学生たちを描いた物語です。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約3000ものいいねが集まりました。

デザイン大学に通う天海は、コンペで何回も賞を受賞しています。同じ集まりのメンバーは「凄いなぁ」と絶賛し、天海自身も「まぁ…オレって天才だから」と自画自賛します。

天海は父母と3人暮らしで、至って普通の家庭で過ごしてきました。一方でメンバーのひとり・佐々山は、休憩時間も作業しているものの賞を取ったことがありません。そんな佐々山に対して天海は「デザインなんか才能が物を言う世界なのに」と冷ややかな目で見ていました。

メンバーで夕飯を食べに行くのも、佐々山は「用事があるから」とどこか忙しそうな様子で断ってばかりいます。一方、天海は「毎日が楽しくて充実してて、超幸せ。天才で良かった」と思いながら過ごしていました。

しかし、天海の母が交通事故に遭うことで状況が変わってきます。母はしばらく入院が必要となり、父もしばらく出張のため、天海は1人で生活することになりました。

天海は1人で料理も家事もできるため、この状況に対して特に問題視していませんでした。しかしそれは大きな間違いで、天海は徐々に生活が面倒になっていきます。やがて料理はカップラーメンで済ませるようになり、洗い物や洗濯が山のように貯まっていく始末です。

そんなある日、天海は「ピザでも頼むか」とデリバリーを頼みます。するとピザを届けに来た配達員が佐々山だったのです。

天海は佐々山の姿を見て、バイトをしなくても食事を作らなくてもデザインに集中できる環境を自身が受け取っていたことに気付きます。恵まれた環境あってのコンペ受賞だったのに、それを自身の才能と驕っていたことに天海は恥ずかしくなってしまうのでした。

後日、ついに佐々山はコンペで受賞を果たします。みんなで佐々山を称えつつも、天海はどこか引きつった表情でした。佐々山の生活費のためバイトをしつつ、デザインに打ち込む姿勢を見て、天海は自分の想いを吐露します。

天海が「オレは環境に恵まれていただけなのに」と話すと佐々山は「関係ないよ、天才ってのは結果を出してる人のことだから」「過程なんか関係ない、結果がすべてだから」と言うのでした。

そして年月が過ぎ、天海は母と一緒に家事を手伝い、デザイン作成にも打ち込んでいます。コンペにまた受賞した天海は「まぁ…ほら、オレって天才だから」と言うも、最初の表情とは少し面持ちが異なるのでした。

読者からは「爽やかな気分になれた!」「天海と佐々山の関係性がとても素敵」などの声が挙がっています。そこで、作者のにしのりさんに話を聞きました。

■オチについては読者のさまざまな意見が聞けたら嬉しい

-同作を描こうと考えたきっかけを教えてください。

天才と凡人というモチーフを、家庭環境という切り口で物語に出来ないかなぁと思ったのが始まりだったと思います。少しセンシティブな題材になるので、主人公の成長を描きつつエンタメに昇華できたらなと試行錯誤した思い出です。

作中ではあくまで「結果がすべて」という落とし所にしましたが、人によって意見が別れるといいますか、何か決まった正解がある話でもないと思うので、読者それぞれの色々な意見が聞けたらなと思い制作しました。

-天海が最初と最後に言う「オレって天才だから」の表情に大きな違いがあるように感じました。最後の場面のこの台詞は、どのようなことを思いながら発言したとご想像しますか?

同じセリフでも天海自身の心情に変化があったことは明白だと思いますが、こちらも正解があるわけではないので、読者の方々に想像していただければなと思います。

(海川 まこと/漫画収集家)

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