ツラい花粉症の対策は「腸」にあり 鼻水、目のかゆみ、のどのイガイガ「解消のカギ」は「腸内細菌」

國澤純先生
菌リレーの走者として活躍するヨーグルト
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 日本人の2人に1人が罹患(りかん)すると言われる花粉症。ツラい症状だけでなく、労働生産性を大幅に低下させることが社会問題になるなど、もはや国民病という状況だ。今年も花粉飛散量は、全国的に平年を上回ると予測され、またツラい季節がやって来る!と、戦々恐々としている方は多いのではないでしょうか。そんな中、最近の研究ではその対策に「腸内細菌」がカギを握ることが解明されている。その現状を腸内細菌研究の第一人者である國澤純先生が解説した。

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 くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、のどのイガイガ。これら主な花粉症の症状が、なぜ発症部位から遠く離れた腸と関係しているのか。

 國澤純先生は、キーワードを「免疫」と示し「花粉症は、目や鼻などに異常が起こるのではなく、本来は無害な花粉に対して体の免疫システムが過剰に反応してしまうことで引き起こされる症状で、実はこの過剰な免疫反応を根本からコントロールするカギが『腸』にあるのです」と説いた。

 具体的には「『腸』は皮膚と同じく体の外側に接する入り口。そこを通過するもので圧倒的に多いのは“食べ物”という外来物質で、もし腸がすべての“食べ物”に過剰反応すれば、食事を摂ることもできなくなってしまう。そのため腸には、本来無害なものに対し免疫を働かせない『免疫抑制(免疫寛容)』という仕組みが備わっています。実は花粉症は、この“仕分けシステムの乱れ”が原因。本来は、食べ物と同様にスルーすべき花粉を、免疫システムが“危険な敵”と認識してしまうことで発症するのです」と解説する。

 つまり、この腸が持つ本来の働きを取り戻すことが、花粉症の対策になる。そのためには「腸内環境を整え、この“天然のブレーキ”を正しく機能させること。花粉症対策には“免疫力アップ”より“免疫コントロール”が重要です」と言う。その腸内環境を整えるには、腸内細菌がしっかり働く環境作りが大切、と力説する。

 その対策。従来は「有益な物質を生み出す善玉菌を増やし、有害な物質を作り出す悪玉菌を減らす」という二元論が一般的だったが、最新の研究では「善玉菌VS悪玉菌」という構図でなく、いろいろな菌が役割分担しながら、菌同士がリレーで助け合う「分業制」で働いていることが分かってきた。

 「腸内細菌の役割の多様性や相互関係にも注目し、このリレーがスムーズに完結する環境を整えることが、免疫コントロールには重要」と言い、その対策には「『食物繊維』を含む食品や『発酵食品』を摂取すること」という。

 「外から有用な菌を取り入れる『発酵食品』がリレーの走者なら、その菌たちのエネルギー源となる『食物繊維』は、リレーをゴールまでつなぐためのバトンです。この両者がそろって初めて、腸内では免疫のブレーキ役を育てる『短鎖脂肪酸』が産出されます」

 「食物繊維」の中でも酪酸菌が好む「発酵性食物繊維」は穀物や豆、芋に多く含まれる。「発酵食品」は、糖化菌が含まれる納豆や味噌など麹菌を使った食品や、乳酸菌などを含むヨーグルトがオススメだ。

 「花粉症対策での食事は、この『腸内細菌のリレー』をイメージしながら摂るといいでしょう」

 ただ、これらの菌の多くは腸内にすみ着く「定住菌」でなく、数日から1週間程度で排出される「通過菌」。「腸内細菌のバランスは、毎日一定でないため、常に『有益な物質(短鎖脂肪酸など)』を産出し続けるためには、定期的に菌を送り込み、リレーの走者を補充し続ける必要があります」と言うように、納豆やヨーグルトなどはできるだけ毎日摂ることを意識しよう。

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