廃線がささやかれるJR加古川線の西脇市~谷川間 利用促進目指し増発→果たして効果は?

近年、兵庫県内で廃線がささやかれている線区に、JR加古川線(加古川~谷川)の一部区間、西脇市~谷川間が挙げられます。JR西日本は以前から、同区間に対して「大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に判断できていない」という考えを示しています。一方、沿線住民からは廃線を心配する声が聞こえてきます。

2024年7月にJR西日本と関係自治体首長などで構成された「JR加古川線(西脇市-谷川間)維持・利用促進ワーキングチーム会議」を実施。そこで、より一層の利用促進を実施することで合意しました。その後、列車の増発等が行われ、JR西日本からその結果が昨年12月24日に公表されました。

■加古川線テコ入れ策の結果が明らかに

JR西日本は大阪・関西万博の期間中(2025年4月13日~10月13日)に、加古川線・西脇市~谷川間の増発検証実験を実施しました。実験内容は西脇市~谷川間の列車増発(2往復4本)、福知山線を走る特急「こうのとり」の一部の谷川駅臨時停車です。「こうのとり」の谷川駅の臨時停車は4月13日~10月13日に加え、2024年7月1日~2025年2月28日も実施しました。

結果は、西脇市~谷川間における2025年4月~10月の平均通過人員(輸送密度)は1日あたり350人となり、2023年度と比べて+75人/日となりました。なお、輸送密度はある区間の1日1キロあたりの平均旅客輸送人員を指します。

同じく、4月~10月までの各駅(加古川線 新西脇~久下村間)の乗車人員の合計は1日あたり146人に。2023年度と比較すると、普通利用者は+10人/日、定期券利用者は+41人/日と、定期券利用者の増加が目立ちました。

臨時増発した列車の平均乗車人数は1本あたり10.5人(平均乗車率6.3%)。谷川駅「こうのとり」臨時停車では、特急「こうのとり」と加古川線の乗り換え人数は2024年7月開始分は1本あたり0.3人、2025年4月開始分は1本あたり0.6人でした。

■輸送密度350人/日は安心できる材料なのか

SNSでは2023年度の輸送密度よりも増加したことから、楽観論も見られます。しかし、輸送密度350人/日はまだまだ厳しい状態と言わざるを得ません。西脇市~谷川間の現状を見るうえで、参考となるのが2008年に廃止された三木鉄道です。三木鉄道は加古川線の厄神~三木間6.6キロを結んでいました。

2006年度の三木鉄道の輸送密度は1日あたり366人でした。単純に輸送密度を比較すると、西脇市~谷川間と同水準でしたが、行革市長(三木市)の誕生により、廃線に追い込まれました。

また先述したとおり、日中時間帯に増発した列車の平均乗車人数は1本あたり10.5人であり、路線バスでも十分に補える乗車人員です。

加古川線は1995年に発生した阪神淡路大震災の際、姫路駅~大阪駅の迂回ルートとして活用されたことは知られています。しかし、以降30年以上、迂回ルートとして活用されていないことも事実です。

輸送密度を重視し、鉄道以外の道を探るのか、それとも、コストを支払ってでも、迂回ルートを維持するのか。難しい選択が迫られているように感じます。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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