女性トイレの行列問題、深刻化…男性個室1つに対して女性個室が少ない都道府県は?
「女性トイレの行列問題」が深刻となっています。社会課題解決型トイレマップ『TOIMAP』を運営する株式会社KICKs(京都府京都市)が、同マップ保有の全国2万カ所以上のトイレデータと、各自治体が公開する「公衆トイレオープンデータ(2025年11月時点)」を組み合わせて、施設数100件以上の14都道府県(4383カ所)について分析したところ、男性個室1つに対する女性個室の比率は、「京都府」(2.20倍)が最も多くなりました。
まず、「トイレの洋式化率ランキング」を見ると、1位「京都府」(96.6%)、2位「宮城県」(74.9%)、3位「和歌山県」(74.4%)がトップ3となった一方、「香川県」(28.2%)、「青森県」(45.6%)、「山口県」(45.8%)では、未だに半数以上が和式トイレという結果になり、トップの京都府とワーストの香川県で約3.4倍の格差が判明しました。
また、「東京都」(66.5%)や「大阪府」(69.0%)といった大都市圏でも洋式化率は7割を下回っています。
女性用個室数の不足が一因とされる「女性トイレの行列」。同社の試算によると、高齢者や子連れ層の外出を抑制する「トイレ不安」は、年間3000億円以上の経済機会損失を生んでいるといいます。
男性個室1つに対する女性個室の比率を算出した「女性個室比率ランキング」を見ると、1位「京都府」(2.20倍)、2位「山口県」(1.88倍)、3位「福井県」(1.85倍)がトップ3となりました。
一方、スコアを低い順に見ると、「愛知県」(1.27倍)、「岩手県」(1.29倍)、「香川県」(1.52倍)、「大阪府」(1.59倍)、「東京都」(1.60倍)という結果になり、人口が集中する都市部ほど「女性トイレの行列リスク」が潜在的に高い構造が示唆されました。
調査を実施した同社は「『トイレはコストである』という旧来の認識が、今回の分析で明らかになった"地域格差"を生んでいる一因ではないか」と指摘しています。



