仲の良い人とメールをしている際に、いつもよりも長時間返信がないと、「何かあったのかな」と不安になってしまうものです。Instagramで漫画を投稿しているB.B軍曹さんもこのような不安を抱えており、その対処法を描いた作品『人間関係に疲れた時の対処法』を公開しています。

ある日、軍曹さんは学生の頃からの親友に連絡したものの、一向に返事が返ってきません。「嫌われたらどうしよう」と悩む軍曹さんに対し、夫の髭さんは「返事がないのは嫌われたのではなく今はまだ返事が返せないというサインなのでは」と諭します。さらに、嫌われたらと悩むのではなく、「好かれたらボーナスステージくらいの気持ちでいると楽かもね」と話すのでした。

この言葉をきっかけに、軍曹さんは人間関係に対する見方を少しずつ変えていったそうです。そんな同作について、作品に込めた思いや心境の変化などを作者のB.B軍曹さんに詳しく聞きました。

■人間関係 は「頑張ること」よりも「うまく力を抜くこと」

ー「嫌われたかも」と感じたのはどうしてだったのでしょうか？

返信がこない＝「嫌われた」と直結させてしまうクセがあったんです。神経が細やかで感受性が強い性質のHSP（ハイリー・センシティブ・パーソン）気質なので、相手の沈黙を拒絶と捉えてしまうところがあって。でも冷静に考えたら、相手だって忙しいし、返信できない理由なんて無限にあるんですよね。それを全部「自分のせい」にしていたのは、今思えば自己中心的な不安だったなと気づきました。

ー髭さんの話を聞いて気持ちは切り替わりましたか？

すぐにスパッと切り替わったかというと、そんなわけではありません。「わかる、でも出来ない」の壁って、誰にでもあると思うので。でも、髭の言葉は、頭のどこかにずっと残っていました。落ち込みそうになるたびに、その言葉を思い出して、少しずつ他人の反応より、自分の機嫌を大事にしようと意識できるようになりました。

気持ちは一瞬で変わらなくても、自分の見方を変える言葉を持っているだけで、次に落ち込んだ時の「底の深さ」が違う。そういう意味で、あの時の髭の言葉は私にとって「心のクッション」になっているのだと思います。

ーその後ご友人からの返信はありましたか？

はい、ありました。「ごめん！めちゃくちゃ仕事詰まってた！」って（笑）私の漫画は、すべてが事実そのままというわけではなく、実際の体験や感情をもとに、共通する心のエッセンスを抽出して描いています。人物を変えても、感じたことの本質には嘘がないようにしていて、このエピソードもそんなリアルのかけらから生まれたものです。

昔の私なら、1週間返信がないだけで、嫌われたと思い込んで落ち込んでいたと思います。でも今は、「返信がきたこと」よりも、「返信がなくても自分を責めなかったこと」に成長を感じました。

この漫画で伝えたかったのは、「関係を切る勇気」じゃなくて、「力を抜いて関わる心の余裕」です。人間関係って、頑張ることよりもうまく力を抜くことのほうがずっと難しい。でもその抜き方を覚えると、人にも、自分にも優しくなれるのかもしれないなと思ってます！

（海川 まこと／漫画収集家）