ギラギラをなくした会社員と夢を貫く受験生の息子 机に向かう背中が中年男のハートに火をつけた 「歳とってもまだ足掻けるはずだ」【漫画】

社会に出て仕事に追われていると、毎日が淡々とした日々で、夢も目標もないと感じる人は多いでしょう。年齢を重ねて、会社での上限が見えてくると尚更かもしれません。漫画家・まるいがんもさんの作品『覇気なし中年課長を変えた高校生息子の金言』は、そんな多くのビジネスパーソンに当てはまる内容として注目を集めています。

物語の舞台は、とある会社の経理部です。経理部の折合保(おりあい・たもつ)は経理部課長ですが、覇気がなく仕事を淡々とこなす日々を送っていました。そんな折合は、ふと自分がいつから人生を諦めたのかと考えます。そのタイミングは、後輩に出世で抜かれた時だったと気付きますが、「まぁそんなものだろう」と自分を納得させます。しかしその一方で、後輩である田中のやる気にあふれた様子に羨ましさも感じているのでした。

帰宅した折合は、高校生の息子が第一志望校に落ちたことを知ります。妻に促され、落ち込んでいるであろう息子に声をかけようと部屋を訪ねますが、どう声をかけていいか分かりません。最後には「浪人してもいいんだし」と折合が言ったことで、息子に怒られてしまいます。

息子に謝り、部屋を出ようとした時、本棚にある漫画に気が付きました。それは息子が弁護士を目指すきっかけになった漫画でした。「ずっとそれを目指して頑張ってきたんだもんな」と話す折合に息子は落ち着きを取り戻します。そして「父さん…さっきはごめん」「せっかくのチャンス...諦めたくないんだ...できるだけ足掻きたい」と夢を諦めていないことを素直に伝えました。頑張れよと笑う折合に息子は「大学行かせてくれて…ありがとう…」と恥ずかしそうに言います。

その後、会社での折合は周りから「なんか課長変わった?」と言われるほど明るくなった様子が分かります。折合の息子が大学に合格したことを知り、田中は「いいなぁ大学生かぁ。若い時って将来に希望しかなかったな~」と言います。「そうだな。でも...年とってもまだ足掻けるはずだ」と、明るい表情で返す折合の姿に田中は静かにほほ笑むのでした。

同作は東洋経済オンラインにて連載中のオリジナル漫画『真面目なマジメな真締くん』からの抜粋です。 オフィスワーカーなら思わず「あるある!」と頷いてしまうアレコレをユーモアに包んでお届けするオフィスコメディとなっています。そんな同作について作者のまるいがんもさんに話を聞きました。

■悩むとか諦めるよりまずはすぐに始めちゃうのがいいと思います!

ー同作を描くきっかけがあれば是非教えてください。

きっかけは2つあります。ひとつは僕自身がサラリーマンとしての働き方やキャリアのようなものをたまに考えることです。働く以上は頑張って出世を目指した方がいいのかな…?出世したら給料も増えるよな…。でもその分忙しくなるし責任も増えるしな…と、出世への考え方にいまだにちょっと悶々としています。周りは出世していって僕自身諦めている気持ちもあり、今回の主人公に重ねました。

もうひとつは長男とのやりとりです。僕は離婚して別々に暮らしているのですが、今現在、大学生と高校生の息子がいまして、たまにラインでやりとりをしています。

あれは長男がたしか高校一年生の時だったと思います。おそらく母親と進路についての話にでもなって色々と聞いたのでしょう。LINEで「お父さん、養育費いつもありがとう」なんて送ってきたんです。

僕は嬉しい気持ち以上に、息子の成長のそばにいてやれなかったという申し訳ない気持ちの複雑な感情になりました。とはいえ、それを伝えてくれるなんて優しい子だなとも思いました。この2つの出来事が同作の元になっています。

ーまるいがんもさんにとって、これは金言と思う言葉があれば教えてください。

最後のページの「歳とってもまだ足掻けるはずだ」です。

-作品を通して伝えたいメッセージがあれば是非教えてください。

僕自身、わりと歳を取ってから始めたことも多くあり、結局今が自分の人生で一番若い、歳は関係ないと思っています。

やりたいこととかあれば悩むとか諦めるよりまずはすぐに始めちゃうのがいいと思います!

(海川 まこと/漫画収集家)

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