一軒家の実家「防犯対策に不安」約6割 実家で実施している対策は昔ながらの方法が中心に

地方では地域住民とのつながりが強く、安心感から防犯対策がおろそかになっているケースも見受けられるといいます。パナソニック株式会社(東京都港区)が実施した「実家の防犯」に関する調査によると、約6割が「実家(一軒家)の防犯対策に不安」と回答しました。その一方で、実家で実施している対策は「近所付き合い」が最多となり、昔ながらの方法が中心であることがわかりました。

調査は、地方・郊外に位置する一軒家の実家に60~80代の親が住んでいる、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)在住の20代~50代の男女800人を対象として、2025年7月にインターネットで実施されました。

その結果、全体の59.7%が「実家(一軒家)の防犯に不安を感じる(とても感じている+やや感じている)」と回答。年代別では20代の54.8%、30代の41.8%が「あまり感じていない」と答えたのに対し、40~50代では「やや感じている」がそれぞれ48.7%と、親の年齢が上がるにつれて、防犯面への意識が高まる傾向がうかがえました。

「実家(一軒家)の防犯に不安を感じていない」と答えた322人にその理由を聞いたところ、「近所付き合いがあるから」(38.5%)、「田舎で地域の治安が良いから」(32.9%)、「常に家に人がいるから」(30.7%)といった回答が上位に挙がり、いずれも“昔ながらの安心感”を持つ傾向が見られました。

他方、「実家(一軒家)の防犯に不安を感じている」と答えた478人の具体的な不安としては、「空き巣」(75.9%)、「強盗」(62.8%)、「詐欺電話」(61.9%)がTOP3に。

これを年代別に見ると、20~40代では「空き巣」、50代では「詐欺電話」が最多となり、世代ごとに異なる不安の傾向が見られました。

続いて、「実家で暮らす家族が防犯面で最も心配していること」を尋ねたところ、「強盗」(23.6%)や「空き巣」(22.1%)が上位を占めた一方で、「何を心配しているかわからない」(19.3%)という意見もみられました。特に20代では32.3%と高く、若年層の実家の防犯に対する関心の低さもうかがえました。

また、「実家で実施している対策」としては、「近所付き合い」(40.6%)、「施錠管理」(38.1%)など、昔ながらの方法が中心で、「近所に人がいるから安心」といった感覚は親世代・子世代ともに根強く残っているようです。

次に、「現在実家で使用されているインターホンのタイプ」について聞いたところ、「カメラ付き」(54.4%)が最多となった一方で、「ブザーのみ」(29.5%)という回答も約3割を占め、特に「50代」(35.8%)が他の世代と比較しても高く、親の年齢が高くなるほど、古い機器が使われている様子が見て取れました。

また、現在実家で使用されている電話機において、「迷惑電話防止機能はついていますか」と尋ねたところ、35.8%が「ついていない」と回答し、強盗や詐欺への不安があるものの、防犯機器のアップデートが進んでいない実態が浮き彫りになりました。

さらに、「過去3年間に、実家の親が詐欺被害に遭った、または遭いそうになった“ヒヤリ体験”がある」と答えた人は23.4%と、5人に1人以上が何らかの詐欺被害および詐欺未遂を経験している実態が明らかになりました。

そこで、「実家で暮らす家族に勧めたい防犯対策商品」を聞いたところ、「防犯カメラ」(37.1%)、「センサーライト」(23.4%)、「カメラ付きインターホン」(21.6%)などが上位に挙がった一方で「特にない」との回答も32.8%と一定数見られ、特に20代ではこの回答が最多となり、若年層では防犯意識や実家の対策への関心が低い傾向が見受けられました。

最後に、「帰省のタイミングで実家に暮らす家族と「防犯」について話し合いたいと思いますか」と聞いたところ、59.8%が「思う」と回答し、帰省時が防犯について家族と話す “実家防犯の棚卸し”のチャンスであることがうかがえました。

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【出典】

▽パナソニック調べ

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