ムカッとしたとき(A)サンドバッグを叩く(B)何もしない 尾を引かないのはどっち?【漫画】

怒りを感じたとき、思わず周囲にぶつけて発散したくなることがあるかもしれません。けれど、その行動は気持ちをラクにするどころか、逆効果なのです。精神科医であり漫画原作も手がけるゆうきゆうさんの作品『怒りや悲しみを感じたときに「八つ当たり」や「何かを殴ったりする」と、【逆効果】という話。』では、この現象について解説しています。

心理学者のB・J・ブッシュマンらがおこなった実験では、怒りを感じた人を「サンドバッグを叩くAグループ」と「何もしないBグループ」に分けて観察しました。その結果、怒りが増す傾向にあったAに対し、Bは時間の経過とともに怒りが和らいでいったのです。この実験結果について描かれた同作について、原作者のゆうきゆうさんに詳しく話を聞きました。

■イライラをぶつけても悪循環を生むだけ

怒りを発散するつもりの行動が、実は逆効果だったのはなぜでしょうか

ー衝動的な行為によって、より怒りが増してしまったり、または『攻撃してしまった…』ということで後悔し、かえって精神が不安定になるからと考えられます。よくジャイアンがイライラしてのび太を殴ったりするシーンがありますね。本来、殴った直後に『あぁ良かった…』みたいなヘラヘラした顔をジャイアンはしているべきなのに、そうはなりません。

殴った直後のジャイアンはたいてい『イライラしているときにお前が来たからだ!』と怒った顔をしているイメージがありますよね(すなわち効果がないのです)。特に『受けたストレス』と『何かにあたったことによるスッとする気持ち(がもしあるとしても)』は、決して『同質』ではないので、それもふくめてイライラは解消しないのです。

他にも感情を抑えきれず人にぶつけてしまうことのデメリットがあれば教えてください

ー怒りを発散された相手は、背景の事情なんて知りませんので『この人はイライラしやすい人だ、傷つけてくる人だ』と思っていきますので、関係性は悪化するばかり。そのため、いいことゼロです。たとえ背景の事情を知ってもいい気分にはならないでしょう。

■ 怒りを具現化し、存在を認識するだけで気持ちは軽くなる

では日常生活の中で怒りとうまく付き合うには、どうすればよいのでしょうか

ーいろいろな方法がありますが、1つ紹介すると、怒りをキャラクター化することです。ポケモンみたいな小さなかわいいモンスターだとして『オコリン』とか適当に名前をつけてみてください。もちろん名前はテキトーでいいですし、造形なんて漠然としたイメージで構いません。

このように具現化すると、気持ちがとってもリラックスします。特にその感情を消そうとかやっつけようとかする必要はありません。ただ存在を認識するだけ。それで最短で気持ちがラクになります。モヤモヤした感覚にとらわれたままが一番危険なのです。

(海川 まこと/漫画収集家)

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