開始早々「最後の敵は父ユウ・シャノチーチ」と暴露 キャラ名で展開が読めてしまう衝撃設定…勇者ケンジャノッチの緊張感ゼロ冒険RPG【漫画】
ゲームの定番ジャンルである「RPG」といえば、ダンジョン攻略やモンスター討伐といったやり込み要素が醍醐味ですよね。「WEBコミックガンマ」(竹書房)で連載中の『ネタバレが激しすぎるRPG -最後の敵の正体は勇者の父-』(原作:みぬひのめ、構成:篠房六郎、作画:森野キューマ)は同名タイトルのフリーゲームを原作とした作品で、魔王の討伐を目的とした勇者によるパーティーの様子が描かれています。また、同作の大きな特徴は作中のナレーションが、先々に起こる展開の“ネタバレ”をしてしまうというもの。以前原作者・みぬひのめのX(旧Twitter)に第1話がポストされると、8.9万もの「いいね」が寄せられています。
■登場キャラの名前に注目すると…
同作は、魔女が「ネタバレとは『第四の壁』を超えて 神の視点に立ち ありとあらゆる運命と時を超えて知覚することさ」と説明するシーンから始まります。さらにこの話を聞いていた人物に手を伸ばすように指示すると、言われた通りにした人物はコマの枠に触れます。その後、魔女は「アンタが覗いているのが登場人物と読者を隔てる『第四の壁』さ」と明かすと、その人物は第四の壁の向こう側に転落。その人物は“この物語”の全貌を把握したうえでナレーションを務めることになり、第1話の冒頭では「主人公の4人の仲間のうち1人が12ページ後にすぐ死にます」とタネ明かしをするのでした。
舞台は変わり、とある国の国王「クロマーク」は、ある人物に国民が次々と行方不明になっていることや、なぜかスライムが大量発生していることを話す場面が描かれます。その話を聞いた勇者「ハロルド・ケンジャノッチ」は、その問題を解き明かすと申し出るのでした。さらに国王は、あらゆる魔を打ち払うと言われている「賢者」もいれば…と言葉をもらしたところ、「何をおっしゃいますか」「勇者の私が秒で解決してみましょう」と強気な発言をするケンジャノッチ。
その勇敢な言葉に感銘を受けた国王は高級ブランド「バクダーン」のブレスレットを「決して中に小型爆弾が入っているわけではないぞ」と言いながら贈呈。さらに「事件の黒幕はじつは私であるということは決してないので そこは安心するがよいぞ」と述べます。また国王の隣に座る王妃「フリーン」は、ケンジャノッチに突然キスをして、「このように敵の不意打ちを受けないことね」と話すのでした。
そして、国王は魔導士「マーシャ・ウラギール」、剣士「テレーゼ・マトハズレイ」、僧侶「ルキウス・スグシヌヨン」の3名を勇者のパーティーとして呼びます。
さっそく勇者一行は城の外に出ると、ケンジャノッチは「この事件に誰か何か心当たりは?」と尋ねると、“魔王が自分の勢力を拡大するためにさらっているのでは”と推測するウラギール。さらにスグシヌヨンは、このまま若者が減り続ければ近い将来に国民年金が破綻すること、解決するためには新NISAの活用が必要なことなど、ズレた見解を語り始めます。
投資の話が膨らむ中、城の外で待ち伏せていた魔王軍の四天王のひとり「クソザッコ」がしびれを切らして登場し、スグシヌヨンを暗黒魔法「ゴダ・メイジ」で一掃。そして、魔王「ユウ・シャノチーチ」に命を受けたというクソザッコに、ケンジャノッチが「魔王 ユウ・シャノチーチだと」と驚いたところで、ここまでがプロローグだとナレーションが明かすのでした。
さらに、ようやくメインタイトルが現れ、「ここから3ページ半は映画の予告編のように格好いいBGMが流れていると思って読むのがオススメです」との説明が。その後に物語のポイントになるであろう場面がぶつ切りで描かれ、その後にクソザッコが登場したシーンに戻ります。
とはいっても、強敵の前という状況は変わりなく、しかも勇者は“ただイキったお調子者”で、マトハズレイも「(勝率は)0.1%もない」と誤った分析結果を導きます。ここで「各々の名前にネタバレが含まれていることをまったくもって知り得ない」というナレーションが。しかし、ウラギールだけがクソザッコに立ち向かう姿勢を見せ、彼女のひと言でマトハズレイも参戦します。
彼女たちの勇気ある行動とは裏腹に、ケンジャノッチは川に飛び込み逃亡。ところが、クソザッコはあっけなく一発の攻撃で敗北します。名前の通り、見かけ倒しの弱い敵だったのです。そして、逃げたと思っていない2人は、川に飛び込んだケンジャノッチを救ってあげるのでした。
読者からは「ネタバレになっているネーミングが面白すぎる」「設定が斬新で新感覚」などの声が。そこで原作者である みぬひのめさんに、同作について話を聞きました。
■原作を小説投稿サイトにアップしたのちに配信者が続々とプレイ?
-原作となるゲーム版『ネタバレが激しすぎるRPG-最後の敵の正体は勇者の父-』のストーリーを考えた経緯を教えてください。
もともと「速すぎるRPG」「弱すぎるRPG」などの“すぎるRPG”というシリーズを制作しており、その次回作でなにをつくろうかと考えた矢先、登場人物名で先の展開をネタバレしたら面白いだろうなと思い、そのアイディアを中心にゲームを制作することにしました。元々は、ただネタバレしているだけのゲームを想定していたのですが、ある日、もっとひねった方が面白くなるだろうと思いつき、プレイヤーを裏切るような展開を考え付きました。
-コミカライズ化に至った経緯もぜひ教えてください。
『ネタバレが激しすぎるRPG-最後の敵の正体は勇者の父-』のリリースから8ヶ月経った頃にこのゲームを原作とした小説を小説投稿サイトに投稿し、そのすぐあとくらいに本ゲームが配信者の方々に多くプレイされました。そのタイミングで漫画の企画・編集を行っているMARCOTさんにお声がけいただきました! そこから少しずつ打合せを進め、構成担当や漫画担当の方を見つけていただき、コミカライズに至りました。
-コミカライズ版の第1話の中で、特にお気に入りの場面があれば、理由と一緒にぜひお聞かせください。
やはりスグシヌヨンの登場シーンでしょうか…登場1ページでキレイにオチたと思います(笑)。
-読者にメッセージをお願いいたします。
コミカライズ版は、ゲーム版とは違う部分もけっこう多いので、ゲームを先に知っていただいている方はその違いを楽しんでいただければと思います!コミカライズ版から先に知っていただいた方は、ぜひゲームもプレイしてみてください!ゲームは無料でプレイ可能です!
(海川 まこと/漫画収集家)





