「忙しい仕事の合間を縫って丁寧に…」小児病棟の看護師が描いたアンパンマン「涙が出る」

小児病棟の看護師が描いたアンパンマンの絵がSNS上で大きな注目を集めている。

「忙しい仕事の合間を縫ってこんなに丁寧にアンパンマンを描いてくれている小児病棟の看護師さんの姿を想像するだけで涙が出る母」

とその模様を紹介したのはエッセイストの潮井エムコさん(@m_emko)。

足の親指にモニターを固定するための包帯に描かれたアンパンマンの絵。業務をこなすだけでも忙しいだろうに、小さな子供が少しでもストレスなく過ごせるようにと、手間をかけこんな配慮をしてくれる看護師たちの思いには頭が下がる。

潮井さんにお話を聞いた。

ーーこの絵をご覧になったご感想をあらためて。

潮井:足の親指に血中酸素濃度を測るモニターをつけていたのですが、1歳半で動きたい盛りの子どもですから、せっかく綺麗につけていただいてもすぐに取れてしまっていました。貼り替えをお願いするためにナースコールを押すのは心苦しかったのですが、どの看護師さんもいつも笑顔で対応してくださりました。

この時は、看護師さんがイラストの描かれたテープがたくさん入ったポーチを取り出して「どれがいいかな?何が好きですか?」と私や子どもに尋ねてくださいました。アンパンマンを目にした瞬間、子どもが「まんまん!」と喜んだのを見て「アンパンマンにしようね」と、こちらのテープを貼ってくださいました。子どもの足の甲で微笑むアンパンマンを見て、なんて丁寧に描いてくださっているんだろう、と感激しました。

ーーやっぱりお子さんも…

潮井:貼り替え時は動かないように拘束されるのが嫌で身を捩ったりしていたのですが、アンパンマンを目にした瞬間「まんまん!」とずっとイラストを指さしていました。指さしたり、拍手をしたりと、今できる喜びの表現を全部使ってはしゃいでいたので、とても喜んでいるのが分かりました。

 ーー投稿に大きな反響がありました。

潮井:同じように子どもの入院や看病に付き添ったご両親から「同じようにしていただきました」と写真付きで感謝のメッセージがたくさん届き、ちいさな体に貼られた手描きのキャラクターのテープに、医療従事者のみなさんが病気の子どもへ向ける眼差しの温かさを感じました。「子どもの頃同じようにしてもらいました、今でも覚えています」と仰っている方も何人もいらっしゃって、我慢が多かったであろう入院生活の中で良き思い出として残り続けているのは、少しでも明るい気持ちになれるようにと看護師さんが心を尽くしてくださったからなのだろうと思いました。

実際の看護師さんや、お医者さん、看護学生のみなさんからも生の声がたくさん届き、みなさんが子どもたちやその保護者のために手間と工夫を凝らして、精一杯の心遣いをしてくださっているのだと分かり、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。天国にいらっしゃるやなせたかし先生にも「子どもたちのヒーローはここにいます」と伝えたいです。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「アンパンマンパワーはハンパないですから 」

「本当にそれ… 点滴の合間に、検温の合間に、きっと自分もクタクタなはずなのに、子どもが少しでも笑えるようにって描いてくれるアンパンマン。 その一筆一筆に込められた優しさを想像するだけで、もう胸がいっぱいになります。 看護師さんたちの優しさって、目に見えないところでもずっと支えてくれてるんだよね。」

「私も夜勤中によく描いていました  辛い治療の中、一瞬でも子どもたちが笑顔になってくれるのが嬉しかったなぁ…」

など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。

なお今回の話題を提供してくれた潮井さんは昨年1月、初の著書となるエッセイ『置かれた場所であばれたい』(朝日新聞出版)を上梓。生卵を育てさせる先生、元スパイの祖母、娘を山に放り投げる母…。一筋縄ではいかない人間模様をユーモラスかつ情感たっぷりに描いた力作なので、ご興味ある方はぜひ手に取っていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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