納品後なのに修正依頼…ムチャぶり受け入れるべき? クライアントに伝えた解決策は…【漫画】
ビジネスの場においてクライアントが約束と違う対応をした時、厳しく指摘することもあるでしょう。しかし「怒る」という行為は人間関係が悪化する場合もあるので、「できれば怒りたくない」と思っている人も多いかもしれません。
漫画家・さのさくらさんがcomicブースト(幻冬舎コミックス)で連載中の『ただの飯フレです』は、ひとりで外食ができないオトナ女子「春川」と人付き合いが苦手な爬虫類顔ピアス男子「真冬」による、一緒にごはんを食べるだけの関係「飯フレ」の様子を描いた作品です。以前X(旧Twitter)に、春川が想定外の依頼をしてきたクライアントとの付き合い方に悩むエピソード『正しい怒り方、誰も知らない説』がポストされると、8.5万もの「いいね」が寄せられています。
■クライアントに無理難題を要求された時はどう対応するべき?
オフィス勤務中だった春川は、アクセサリーのオンライショップを眺めていた後輩のアリスに「あっかわいー」「それ どこのサイト?」と声をかけます。そして、話を聞くと、そのアクセサリーはアリス自身が作った商品であることが判明。同僚の梶も話に加わり、根掘り葉掘り質問していると、「ちょっと飲み物 買ってきます」と離席するアリス。春川と梶は「はしゃぎすぎたかな」と反省するのでした。
席からは離れたアリスは、以前スーパーで働いている時に「そんなの売ってどうすんの そういうのを仕事にできる人はほんの一握りなんだからね」と周りに言われたことを思い出していました。
一方で、アリスのオンラインショップを眺めて「本当にかわいい」と思っていた春川。すると、先日広告案件の決定稿を納品したクライアントから、腰が低い文面ではあるものの修正依頼の連絡が。まさかの修正依頼でうなだれていると、同僚の成田が声をかけてきたので事情を説明。そして、会話を重ねた後、成田は「このままズルズルいきそうで怖いし 1回ビシッとしないといけないかもね」と春川にアドバイスを送ります。その後、梶にも相談した結果、クライアントに電話で「決定稿の修正依頼は難しい」と伝えることにするのでした。
勤務後、いつものように飯フレの真冬とご飯を食べにいく春川。2人はスパークリングワインを飲みながら会話を楽しみつつ、「お刺身の4点盛り」「豚軟骨ポン酢」「あん肝ポン酢」「鉄火巻き」といった料理に舌鼓を打ちます。
そして、話題は春川の職場であった修正依頼の話に。春川は向こうの都合を考えて許しすぎるあまり、先方の追加依頼が続いてしまうことを反省している様子。しかし、真冬は「相手の事情を鑑みてる感じ」が長所だと伝えます。
さらに結局、どう対応したのか尋ねると、先方に「決定稿の修正依頼は難しい」と伝えた後、お互いが気を遣うようなやり取りが続き、最終的には「追加料金で今回だけ」という形に落ち着いたとのこと。今回の一件を受けて、怒っているように見せた方がいいと考え始めた春川。しかし、すぐ怒れるタイプではないので、何がベストなのか分からない…と真冬に伝えます。
その話を聞いた真冬は「正しい怒り方なんて 誰も知らないんじゃないですかね」と持論を展開するのでした。
翌日、アリスお手製のネックレスをつけている梶に声をかけられる春川。梶が早速購入したようで、アリスが職場にアクセサリーを直接持ってきたとのこと。すると、実物を見た成田が「めっちゃお店のやつじゃん」「こういうのできる人 ほんと尊敬する!」とはしゃぎ始めてしまい、春川は“また飲み物を買いに行ってしまう”と不安に…。
しかし、その不安と裏腹に、アリスは「職場の人に褒めてもらったのとか 買ってもらったのとか 初めてです」「ほんとに…すごいうれしいです」と本音を吐露。春川と梶、成田は、その言葉を聞いて笑顔になるのでした。
読者からは「クライアントに強く言えないのあるあるだよね」「アリスとの展開もほっこりした」などの声が。そこでさのさんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。
■当たり前のようにやっているように見えるけど、実はみんな心細い?
-『ただの飯フレです』を描いたきっかけを教えてください。
編集さんとの打ち合わせの中で、マッチングアプリの話になり、「週1とかでごはんを食べるセフレの飯版みたいなやつあったらよくないですか?」と言ったら「いいですね」となったので始まりました。
-『正しい怒り方、誰も知らない説』で“社会人としての怒り方”について描いた経緯もぜひお聞かせください。
みんな、この社会を当たり前のようにやっているように見えて、ずっと心細かったんですが、いろんな人と話をしてると実はそうでもない、みんな手探りっぽい?と思ったのであえて大きく出てみました。
-同作の中で、特にお気に入りの場面があれば、理由と一緒に教えてください。
アリスちゃんが物陰で過去回想をするシーンと、職場のみんなに認めてもらえる場面です。comicブースト掲載時の反応もよかったのですが、過去につらい思いをした人がコミュニティで認められる、受け入れてもらえるという流れを喜んでもらえることそのものに救いを感じました。
-読者にメッセージをお願いいたします。
いつも読んでくれてありがとうございます。精一杯がんばります。よろしくお願いします。
(海川 まこと/漫画収集家)
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