「え、別に育休とらなくていいよ」妻にも義母にも言われて… 30代夫が拍子抜け、その本音は?
「国家公務員一般職の男性職員が2週間以上育児休業を取得した割合は73.9%」。公務員だけでなく民間企業でも男性の育休取得を促進する動きが広がり、父親となる男性自身も積極的に育児休業をとりたいと考える人が多数派になっています。しかし、実際に育休を取得した男性の声は「もっと取得したかった」「取得しなくてもよかったかも」とさまざまです。それぞれの声を紹介します。
■「退院の日だけで充分でしょ?」義母のひと言に肩透かし
Aさん(関東在住、30代、会社員)は1歳のお子さんを子育て中、現在はAさんの妻が育児休業中です。
地方都市から東京の大学に進学し、そのまま東京で就職したAさんと、23区内に実家があり東京生まれ育ちの妻は、大学で出会い結婚した同級生カップルです。一緒に就活を乗り越え、別々の会社ですが忙しさも給与も似たような環境で働いていることもあり、Aさんは「子育ても一緒に頑張り、共働きで支え合うのが当たり前」というイメージを持っていたそうです。
Aさんがお勤めの会社でも男性育休取得推進が定着してきたこともあり、該当者の8割が希望の期間を申請していました。そこでAさんも妻と話し合って育休取得期間を決めようと考えていました。
幸いなことに妊娠期間中のマイナートラブルも少なく、法定通りの産前休暇を取得することが決まった妻に「僕は産後どれくらいの期間取得しようか?」と声をかけたところ、思いもよらない一言が返ってきました。
「え、別に育休とらなくていいよ?産後すぐはそのまま実家に帰るし、しばらくはウチのママに手伝ってもらうし」
「え?うちの会社、普通に育休取れるよ??」
「今のところいらないな~」
「いらない」と言われたAさんは拍子抜けしました。さらに義母からも「Aさんはお仕事頑張って!やっぱり男の人は働かなくちゃ!生まれた日と退院する日だけ、有給か早退してもらったら?」と言われ、「まあ出産は妻最優先ってみんな言ってるしな」と思い、育休を取らないまま過ごしました。結局、入退院の日程が偶然土日祝日に重なり、1日の休みも取得しませんでした。
「妻は1カ月ほどで戻ってきて、子どももよく寝て病気もしない子でした。義母が来るのは日中の買い物や掃除を手伝うだけで、すぐ帰宅してくれるので、僕は気を使うこともありませんでした。ほんとにラクさせてもらっているので文句は言えないのですが、本音では育児休業を取りたかったです。みんな取っているのにな、と感じていました」
育児休業の必要性は、家庭の状況やサポート体制によって大きく異なるものです。
■完全交代制で「夫に任せる」選択 その後の変化
Bさん(関東在住・30代・会社員)は、2人の子どもの出産で2回育児休業を取得しました。
1回目は子どもが1歳になるまで夫婦ともに育休を取得しましたが、「夫は全く育児休業を理解していなかった」と言います。
「おむつを替えるのも、お風呂のお湯の温度を確認するのも、哺乳瓶の消毒も、ガーゼが顔にかかっていないか確認するのも、全部私が指示しないと夫は動かない、というより動けませんでした。ちょっと慣れてきて眠りの間隔が長くなった頃には『ちょっとジム行って体動かしてくる』『日曜日友達とフットサル行ってくる』『せっかくだから資格の勉強にコワーキングスペース契約しようかな』と言い出し、特に最後のひと言にはキレましたね」
Bさんの周囲でも「口だけ育児休業」の話はよく聞くそうです。
「2人目のときは、1人目の経験で育児に多少慣れたこともあり、上の子は近所の保育園に入園できていたので、最初の半年は私が取得し、その後の半年は完全に夫と交代で取得してもらいました。やっぱり自分が責任者だという自覚がないとダメですね。そのおかげで今では保育園の準備もお知らせチェックもばっちりです」
「完全に任せる」という思い切った決断は、確かにその後の育児を考えると有効な選択だったのかもしれません。
【参考】
▽人事院-国家公務員の育児休業などの利用状況に関する調査結果について
◆沼田 絵美(ぬまた・えみ)人材業界や大学キャリアセンター相談業務などに20年以上携わる国家資格キャリアコンサルタント。
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