「目が大きくて怖い」と言われた子猫…元保護猫コンビが育む“特別な絆”、ぐいぐい近寄って「ペロッ」と催促

保護猫をお迎えすることは、その子に安心と愛情を約束するだけでなく、飼い主さん自身も大きな幸せを感じるきっかけになるでしょう。

X(ツイッター)ユーザー・猫、飼い始めましたさん(@D21nyankoro)は、ふたりの愛猫「ポピー」ちゃん(会長)と「カン」ちゃん(副会長)とともに、そんな特別な絆を育んできました。

■愛猫たちとの出会いと家族になるまで

ポピーちゃん、通称「会長」との出会いは、2022年9月のことでした。

「子育てが落ち着いたら猫を迎えたい」と考えていた飼い主さんは、自宅のすぐそばで毎月譲渡会を開催している保護団体があることを知りました。

「保護団体のブログで、ミルク飲みの子猫がやって来たことを知りました。それが会長です。『我が家の子になるかも……』と思いながら、ブログの更新を楽しみにしていました」

ところが、飼い主さんの夫と子どもの反応はまったく異なっていたといいます。

「会長の写真を見せると『目が大きくて怖い』と言われたのです。ご縁が無かったのかとあきらめかけていたところ、新たに保護団体のもとへやって来た子猫が真菌症にかかっていることがわかったと……。感染を防ぐため、会長は預かりボランティアさんの家へ移動したことを知りました」

預かりボランティアさんは、SNSに会長の写真や動画をたくさん投稿しはじめたといいます。それを見るようになった飼い主さんの夫や子どもは、心境に変化が起こったそうです。

「ふたりは、会長のことを『かわいい! お迎えしたい!』と思うようになりました。そこで、保護団体へ連絡して譲渡会に参加。会長は、我が家でトライアル期間を過ごすことになりました」

会長と飼い主さん家族は、順調に距離を縮めることができました。そして、生後3カ月のとき、正式に家族の一員になったのです。

■「預かりボランティアをしませんか?」

会長をお迎えしたあと、保護団体から思いがけない打診があったといいます。

「会長をお迎えしてから、保護団体にごはんの寄付などをしていました。すると、預かりボランティアをしてみないかと声をかけていただいたのです。会長との暮らしに慣れたころ、離乳を終えた生後1カ月半くらいの姉妹猫を預かりました」

飼い主さんによると、姉妹猫を預かるにあたり、心配したことがあったそうです。

「実は、会長にも姉妹の猫がいました。ところが、生後数日で亡くなってしまい、ひとりっ子として育ってきたのです。そのため、子猫を受け入れてくれるか心配しました。ところが、子猫がやって来て数日経ったころには、毛づくろいをしてあげるなど“お姉さん”らしく接してくれたのです」

その後、姉妹猫は里親さんのもとへ旅立っていきました。また、ひとりになった会長は、寂しそうに見えたそうです。

「会長の寂しげな様子を目にして、家族と相談し『もうひとりお迎えしよう』と話がまとまりました。そして、また同じ保護団体さんから譲り受けることに。それが、副会長です」

こうして、会長と副会長が加わり、家庭はより一層、明るくにぎやかになりました。

■会長と副会長、個性豊かなふたり

会長と副会長は、預かり猫たちのことをすんなりと受け入れてくれました。生後3カ月の子猫を預かったときも、翌日には毛づくろいをしてあげて一緒に寝てくれたといいます。

ふたりの性格について、飼い主さんは次のように教えてくれました。

「会長は、保護当時、ほかの猫と同居することなく、保護主さんにとても大切に育てられました。そのため、留守番ができるか心配だったのです。ところが、イタズラすることなく昼寝をしながら帰りを待ってくれました。猫らしくツンデレですが、一瞬のデレで家族全員を虜にします。最近は、膝の上に乗るようになり、『お顔マッサージして』と甘えるように。体は小さいですが、頼れるお姉さんです。自分が毛づくろいをするのは好きですが、されるのは嫌いなようです」

「一方、副会長は、男の子らしく遊ぶことも食べることも大好き。とても甘えん坊です。会長が寝ていると、ぐいぐい近寄って『ペロッて~』と催促しています。我が家にやって来る預かり猫さんたちにとても優しく、ときには甘えん坊の弟、ときには頼もしい兄になって接している様子。見ていてとてもおもしろい子です」

ふたりは、優しい飼い主さん家族に見守られながら、自分らしくのびのびと過ごしているようです。

■猫中心になった家族の生活

会長は、現在2歳に。副会長は、1歳を迎えました。

ふたりと出会ってから、飼い主さん家族の暮らしは“猫中心”になったといいます。

猫たちとともに過ごす日々は、飼い主さんにとってかけがえのないものです。

「猫の話をし、一緒に遊んで一緒に寝て、ともに年を取っていく。私たち家族にたくさんの幸せをもたらしてくれる会長と副会長を、もっと幸せにしたいです」

また、飼い主さんは、過酷な状況下で暮らす猫たちにも思いを寄せています。

「外で大変な生活をしている猫が、ひとりでも安心して幸せな生活が送れるように。微力ながら、これからも預かりボランティアも続けていきたいと思います」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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