ウォーキングする夫のあとを、1カ月もの間ついてきた猫→「うちに来たがっている」と保護 思春期の息子の支え、家族を見守り続けた16年
小さな足音が夫のあとを追いかけ、寄り添うように歩いてくる。そんな日々が1カ月続いたとき、「この子は、きっと家に来たがっているんだ」と夫は確信しました。
X(ツイッター)ユーザー・猫のぷー太郎日記さん(@HQHwInqSl9PTpr1)の愛猫「ぷー」くんとの物語は、15年前、道端で始まったといいます。それはまるで、家族のもとへ向かう運命に導かれたかのような出会いでした。
■日課のウォーキング中、思いがけない出会い
ぷーくんは、普段、飼い主さん夫婦から「ぷー太郎」くんという愛称で呼ばれることもあります。家族になったきっかけは、夫がウォーキングをしている最中に訪れました。
「夫のあとをぷーくんがそっとついてくるようになったのです。1カ月もの間、ウォーキングに出かけると必ずついて来るようになりました。たまに犬に追いかけられて、木の上に逃げることも。夫は、ぷーくんの表情から『うちに来たがっている』と確信し、連れて帰って来ました」
当時、ぷーくんは推定1歳。飼い主さん夫婦の家に迎えられ、新たな猫生を歩み始めました。
■思春期の息子を癒やしてくれたぷーくん
家での生活を始めたぷーくんは、当初、まったく鳴かず飼い主さんを心配させました。
「本当に心配しました。でも、時間が経つにつれて優しい鳴き声を聞かせてくれるようになり、ホッとしたのを覚えています」
当時、飼い主さんの息子さんは思春期の真っ只中。ぷーくんの存在は、息子さんにとって癒やしになったといいます。
「ぷーくんの前では素直になる息子を見て、『ぷーくんに支えてもらっているな』と感じました。ぷーも息子の部屋で過ごすことが多く、ゴロゴロとのどを鳴らして甘えていました。本当の兄弟のようでした」
家族の心に刻まれているエピソードのひとつに、ぷーくんの「鉛筆事件」があります。
「息子に勉強するように言っていると、ぷーくんが部屋から鉛筆をくわえて持ってきて、私たちの前にポトンと落としたんです。それを見た息子は苦笑いして、一瞬でその場の空気が和らぎました」
幼かった息子さんは、今では結婚して子どもを授かり、父親となりました。
「最近、久しぶりに帰省したとき『ぷーくん、歳をとったね』と一言。それが、ぷーくんへのお礼の言葉のように聞こえて、胸が熱くなりました」
ぷーくんは、家族にとってかけがえのない存在となり、息子さんの成長や大切な思い出をそっと支えてきたのです。
■現在のぷーくんと家族の暮らし
現在、16歳を迎えたぷーくん。今も変わらず、家族とともに穏やかで幸せな日々を過ごしています。
「夫が寝る前に、必ず布団の上でゴロンと横になり『おなかのマッサージして』とアピールしてきます。そして、朝、私が起きる気配を察知すると、寝床からやってきて『おはよう』のあいさつをしてくれるんです。でも、このあいさつは夫にはしないんですよ(笑)」
また、ぷーくんの背中の柄を見るたび、飼い主さんは強いご縁を感じるといいます。
「不死鳥をかたどったように見える柄があります。それを見ると『私たち家族の絆を深めるために舞い降りてくれたのではないか』と思うんです」
ぷーくんとともに過ごしてきた16年間は、家族にとってかけがえのない時間でした。飼い主さんは、これからの時間も大切にしていきたいと願っています。
「うちに来てくれたことに感謝しています。これからもずっと一緒に暮らしていきたいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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