兄犬が旅立ち3年、祭壇の前で「にゃむにゃむ」祈る弟猫が話題 母猫のようにかわいがってくれた…「あなたを忘れない」

茶トラ猫のちまきくんは、9歳の男の子。毎朝、天使になった柴犬のエンくん(雄)の祭壇の前で飼い主さんとともに「南無南無にゃむにゃむ」とお祈りをしています。そんな祭壇の前にいるちまきくんの姿を映し出した動画がInstagramで話題になりました。

投稿したのは、飼い主の「柴犬エンと猫のちまき」さん(@enchimaki)。話題を集めたのは、エンくんが老衰で旅立ってから3年目の3月4日と前日の朝などに撮影した動画です。3月4日は、いつものようにちまきくんは祭壇の前の「にゃむにゃむ台」に座りました。祭壇は、Instagramのフォロワーさんから送られてきた花も飾られています。いつもの祭壇の様子が違うと察しているのか、飼い主さんがお線香をあげた後もちまきくんは「にゃむにゃむ台」からしばらく離れなかったといいます。

「祭壇に向かってお祈りする時は、いつもにゃむにゃむ台に座るちまき。3月4日はしばらく台から離れませんでした。不思議なことにそれはお盆やお正月またはGW(ゴールデンウィーク)など長い休みはいつもそうです。エンが帰ってきたと感じているのでしょうか…かわいがってくれたことをちまきは忘れていないはず」(飼い主さん)

■出会いは10年前 公園にいた子猫を保護、兄犬が懸命にお世話をした

エンくんとちまきくんとの出会いは10年ほど前。散歩中に公園で子猫のちまきくんを見つけました。猫風邪で顔がぐしゃぐしゃ…当時2匹の犬を飼っていましたが、ちまきくんを保護し、おうちにお迎えすることになりました。エンくんはまるで母猫のように、ちまきくんをかわいがったりお世話をしたり。ふたりの絆は日に日に深まっていったそうです。

「お互い思い合っていたふたり。ちまきが熱を出した夜には、エンは一晩中ちまきのところにいてペロペロしていました。エンがちまきを大切にしてることがよく分かったシーンです。またエンが肺炎になってしまった時、ケージで安静に寝かせるため入口を閉めたところ、あらゆる方法でケージの中に入ろうとしたちまき。仕方ないので夜は寝室のドアを閉めました。するとドアの前で泣きながら私にドアを開けろと訴え、ドアをガリガリして中に入れろ!と。エンからひと時も離れたくない様子で。私も胸が痛むし、でもエンに安静にと思うとなかなか大変でしたね」

■兄犬が天国へ 弟猫はご飯を食べられなくなり痩せてしまった…

晩年、体が不自由になったエンくんに寄り添い毛繕いをするなど、まるで“介護”をしているかのような振る舞いをしたというちまきくん。エンくんがいなくなった直後はご飯を食べられなくなってしまい、一時はげっそり痩せてしまったことも。しばらくエンくんの服の上や暗いところでひとりで過ごしていたとか…そんなつらい日々を乗り越えて、飼い主さんが保護した子猫3匹がおうちにやってきて、今度はちまきくんが母猫の代わりに子猫たちの面倒をみてくれたそうです。

「ちまきは子猫たちのことをよく世話してくれて。その子たちの存在のおかげで、どんどん元気になりました。でも反面めちゃくちゃ甘えん坊にもなったんです。私が仕事から帰るとドアの前に必ずいて、抱っこで部屋へ。私が座れば抱っこと、ベッタリ。今は家事もトイレも我慢です(笑)」

エンくんは天国にいってしまったけれど、ちまきくんは毎朝祭壇の前でにゃむにゃむ。エンくんのことを今も思いながら、家族と過ごしているようです。

「エンとちまきは、私から見たら兄弟という形ですけど。兄弟よりももっとお互いが分かりあえる親友的な感じだったのではないかなと今になって思います」(飼い主さん)

飼い主さんによると、エンくんも元保護犬でした。車にはねられ瀕死の状態のところを保護したとのこと。享年15~17歳。今はちまきくんをはじめ、みんくちゃん(6歳)、ひまりちゃんと咲楽ちゃん(2歳)、そして昨年保護した希空(のあ)ちゃん(推定1歳)の5匹の猫ちゃんがいます。

  ◇  ◇

エンくんとゆかりさん(飼い主さん)の出会いから別れまでのエピソードをフォロワーさんが描いた絵本『エンとゆかり』が発売中です。購入先は、オリジナル絵本通販サイト「YOMO(ヨモ)」あるいは、Amazonでも購入可能です。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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