「家計が苦しい」共働きで平均世帯年収は711万 余裕があり、「苦しくない」と答えた人との差はいくらなのか?

株式会社マイナビ(東京都千代田区)は、このほど「仕事・私生活の意識調査2024年(2023年実績)」の結果を発表しました。同調査によると、共働き正社員の半数弱が「家計が苦しい」と感じていることが分かりました。なお、「家計が苦しい」と答えた共働きの人の平均世帯年収は「711.9万円」でした。

調査は、全国の20~59歳の正社員を対象に2023年11月にインターネットで実施され、有効回答数は3000件でした。

調査の結果、20~50代の正社員男女の51.6%が「家計が苦しい」と回答しました。「家計が苦しい」と回答した割合を働き方別でみると、「共働きでない人」(1066人)で57.5%、「共働きである人」(571人)では46.1%となりました。

また、「平均個人年収」を調べた結果、共働きで「家計が苦しい」と回答した人(491人)の平均個人年収は「501.8万円」、「苦しくない」と回答した人(555人)の平均個人年収は「582.2万円」となり、「80.4万円」の差がありました。

さらに、「世帯年収」については、共働きで「家計が苦しい」と回答した人(491人)は平均「711.9万円」、「苦しくない」と回答した人(555人)の平均は「878.2万円」となり、「166.3万円」の差がみられました。なお、家計が苦しい人に「理想の世帯年収」を聞いたところ、平均「1034.4万円」となりました。

続けて、「年収と私生活および仕事の満足度の相関」をみると、満足度が最も高くなった年収は、男性が「900万円台」に対して女性は「400万円台」となりました。

この結果について同社は、「年収が高ければ高いほど私生活と仕事の満足度が高まるわけではないことが分かった。ある程度まで年収が高まったあとは、キャリアの納得感や自己効力感など、ほかの要素が影響すると予想される」とコメントしています。

次に、共働きの正社員(1066人)に対し、「管理職」の割合を調べたところ、男性(682人)は29.3%、女性(384人)は6.8%となり、男女で大きな差がみられました。

また、「出世意欲」について、「出世したい」と回答した割合をみると、男性が40.6%、女性が19.8%となりました。一方、「これ以上出世は望まない」と回答した割合は、男性では53.1%、女性は73.3%となり、「業務量に対して賃金が見合っていない」という意見が多く寄せられました。

最後に、「家庭のために仕事を休んだり遅刻や早退をしている」と答えた割合を性別・子どもの有無別でみると、未就学児がいる女性が60.7%で最多、男性も52.0%で半数を超えました。

一方、小学生の子どもがいる場合では、女性が56.6%、男性が37.2%と、男女で大きく差が開く結果となったことについて同社は、「子どもが小学生になると、子の看護休暇の取得時期から外れるなど制度面の影響が生じ、差が広がっていると考えられる」と述べています。

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