「登場曲10秒ルール」野球ファンから不評 試合時間短縮の目的も…「楽しみ減ってしまう」「効果薄い」

いよいよ開幕の日を迎えたプロ野球。しかし、選手が打席に向かう際に球場内に流れる登場曲について、今シーズンから運用が始まったルールが野球ファンの不評を買っている。曲が流れる時間を「10秒以内厳守」としたことで曲が「ブツ切り」になり、盛り上がりに欠けるという声が目立つ。

従来から、日本野球機構(NPB)は「試合時間短縮に向けての施策」の中で「選手が打席へ向かう際に流す場合、テーマソングの演奏時間は、試合時間短縮を考慮して(中略)可能であれば10秒以内に抑えること」と明文化していた。しかし昨年11月のオーナー会議で、10秒以内というルールを「厳守」することが確認された。

今年のオープン戦が始まってこの変更を知った野球ファンが多く、SNS では、否定的な意見が多数を占めている。選手が選んだ登場曲に思い入れが深いファンも多いようで「試合を盛り上げる大切な要素なのに」「曲がブツ切りになって違和感がある」「登場曲を切ることで変な間(ま)ができる」といった声が上がっている。

3月中旬にはX(旧ツイッター)で、ヤクルト山田哲人選手が打席にたどり着く前に登場曲が終わっている様子を撮影した動画が拡散された。そもそも10秒という目安は、「打者間30秒以内」(前の打者の打撃終了から次打者が打席で構えるまでを30秒以内に収める)を徹底するために設けられているものだが、この動画を見て「登場曲を短くしても時短効果が薄いのでは」と疑問視する声が相次いだのだ。

ヤクルト以外でも、巨人大城卓三選手の登場曲「あとひとつ」(FUNKY MONKEY BABYS)が中途半端なところで切れてしまい、ファンがその続きを合唱して“対抗”する様子もSNSで話題になった。

今月25日に開かれた日本プロ野球選手会とNPBによる事務折衝では、選手会の森忠仁事務局長が「時短、時短って方向に行きすぎてて、ファンはどうなのかなってところもある」と時短の取り組みに懸念を漏らした。野球人気拡大のため時間短縮が求められる一方で、レギュラーシーズンが開幕してルールがどのように運用されていくのか注目が集まる。

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