【一年の計は元旦にあり】人生にかかるお金を試算…「ライフプランシミュレーション」してみませんか【FPが解説】

あけましておめでとうございます。新しい年のはじまりです。「一年の計は元旦にあり」といいますが、この1年、そしてこれからの人生に必要となる「お金」のことについて、考えてみませんか。

今後自分がどんな人生を送りたいのか、そのためにはいつ、どれくらいのお金が必要なのか把握するのはとても大切なことです。しかし、漠然とした希望はあっても、「何年後にいくら必要」という具体的なことを詳細に考える機会は意外と少ないのではないでしょうか。時間的にゆとりがもてる年明けのこの時期は、これからの暮らしのことを考える絶好の機会です。簡単なライフプランシミュレーションの手順について、FPが解説します。

■ライフプランシミュレーションとは?

ライフプランシミュレーションとは、これからどのような人生を送っていきたいかを設計した上で、どうしたらその設計が実現できるかを具体的に計画することです。

▽簡単なシミュレーションならすぐできる!

Webで「ライフプランシミュレーション」と検索すると、金融庁を始め、様々な金融機関などでシミュレーターが用意されています。

【金融庁「ライフプランシミュレーション」】

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/lifeplan_sim/index.html

いつ大きな出費が発生するか、現状の収入や貯蓄でその計画は実現可能か、といったことをざっくりと診断してくれるツールです。年齢や家族構成、収入や貯金、現状計画している子どもの教育計画などを入力するだけで簡単に結果が出ます。

▽より綿密にシミュレーションしたい場合は…

シミュレーションツールを使えば簡単に診断ができますが、「もう少し綿密に計画を立てたい!」という場合は、ご自身で「ライフプラン表」と「キャッシュフロー表」を作成してみるのがおすすめ。

FPに相談して作成してもらうことも可能ですが、「まずは自分でやってみたい」という方へ向けて、ご自身で作成するコツをお伝えします。

■まずはライフプラン表を作ってみよう!

ライフプラン表とは、「いつ、何が起きるか・何をしたいか」「その時いくらかかるか」をわかりやすく表にしたもの。これを作っておくと、自分や家族の希望が可視化され、いつ大きな出費があるか把握することができます。

▽ライフプラン表の作り方

縦型にしても横型にしても問題ないので、作りやすい形で「年・家族の年齢・ライフイベント・金額」を記入する欄を作りましょう。

日本FP協会のウェブサイトなどでもテンプレートが公開されているので、使いやすいものをダウンロードして使うのもよろしいかと思います。

【日本FP協会「便利ツールで家計をチェック」】

https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/

▽まずは確定しているイベントから

個人的には「子どもの入学・卒業」「定年退職」のように、ほぼ確実に発生すると思われるイベントから記入していくと作成がスムーズ。

そういった部分が可視化されると「車は子どもが小学校に入るまでには手に入れたい」「定年退職をしたら海外旅行に行きたい」などといった具体的な希望が浮かびやすいです。

■いよいよ家庭の収支を考える、キャッシュフロー表

キャッシュフロー表とは、現在の収支・今後のライフプランを基に今後の収支を予想し貯金残高の推移を時系列にした表のこと。現在から未来までの家計の年表のようなものです。

ライフプランの実現が可能かの判断材料にしたり、家計の問題点を洗い出すヒントにすることができます。

▽キャッシュフロー表の作り方

先ほどのライフプラン表の内容に「収入」「支出」「収支」「貯金残高」の項目が加わります。

こちらも日本FP協会のウェブサイトなどでもテンプレートが公開されています。

【日本FP協会「便利ツールで家計をチェック」】

https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/

「収入」「支出」の中の項目は見本通りである必要はなく、自身で使いやすい形で分類するのが一番ですが、ある程度細分化しておくと後から設計を変更する場合でも修正しやすいかと思います。

・「収入の合計」-「支出の合計」=年間収支

・「前年の貯蓄残高」±「当年の年間収支」=当年の貯蓄残高

となるように表を作成します。

▽収入

収入については共働きであれば夫と妻で分けて記入しましょう。時短勤務や定年退職の有無、時期の違いなどにより変動が大きい部分です。

給与は今後昇給が見込めそうであれば数年ごとに増やしていくなど、現実的な範囲内で予測して入力して問題ありません。

その他定期的に収入が見込まれるもの(年金など)があればその項目を追加したり、「一時所得・その他」のような項目を追加し住宅購入時の親からの援助金や満期保険金など一時的な収入を入力する欄があると使いやすいです。

▽支出

支出については「基本生活費」「住居費」「教育費」「保険料」「一時的な支出(ライフイベント表に書き込んだ金額などを記入)」「その他」の項目を作成しておくことがおすすめ。

こういった定期的な支出を分けておくと見直し・修正があった際に変更が容易です。

教育費など不確定要素が多い部分は、「中学から私立に行かせたい」などの現時点での希望から、文部科学省で公表されている学習費調査の結果などを参考になります。その他「車関連」など、分けておきたい項目があれば追加しましょう。

▽大切なのは年間の収支よりも貯蓄残高の推移

キャッシュフロー表をしっかりと記入していくと、現時点で予想される数十年後までのお金の動きが可視化されます。

黒字の年もあれば、イベントが重なり赤字になる年もあるかと思います。しかし大切なのは「貯金残高」です。

貯金残高が年々増え、老後は貯金を切り崩しつつも生活には困らなそう、ということであれば現時点では問題がないと言えるでしょう。

一方で、大きくマイナスになる年があったり、何年もマイナスが続く…ということがあれば、現時点では思い描くライフプランの実現が難しいということ。計画の見直しが必要かもしれません。

■思い描く結果にならなかったら…

ライフプラン表・キャッシュフロー表を作成した結果、「このままではやりたいことが実現できない」「老後への不安が増した」など、問題点が浮き彫りになるという方も多いのではないでしょうか。

また、これらの表の作成自体も労力が必要であるため(筆者もかつて作成してみましたがとても時間がかかりました)、「きちんと作成したいけれど、自力ではむずかしい」という方もいらっしゃると思います。そういった場合には、ぜひFPへの相談を視野に入れてみてください。

FPへの相談をすると、ライフプラン表・キャッシュフロー表の作成や、問題点の指摘から改善方法に至るまで多岐に渡るアドバイスを受けることができます。

(まいどなニュース/FPオフィス「あしたば」)

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