タワマンのママ友に夫の不倫をバラされて 信じていたはずの“親友”がまさかの裏切り…きっかけは「何階に住んでいるの?」の一言

リッチな人が集まって住んでいそうなタワーマンション。そこでの暮らしをうらやむ人たちがいる一方で、高層階の住人と低層階の住人の間でカースト的な格差があると噂されるなど、ちょっぴり怖くて、ドロドロとしていそうなイメージもぬぐえません。実際に暮らし始めてみて、住民同士の人間関係で悩むケースもあるのではないでしょうか。コミックエッセイ『タワマンのママ友に夫の不倫をバラされた』では、タワマンを舞台にこじれたママ友関係を描いています。

コミックエッセイの主人公は、憧れだったタワーマンションに、大手企業勤務の夫と5歳の娘と3人で暮らしていた専業主婦。幸せに過ごしていたと思っていた矢先、夫の不倫を発見します。そのことをママ友グループの中でも一番仲のいいママ友に相談したことがきっかけで、事態は最悪な方向に。いつの間にかマンション中の噂になってしまった…というストーリー。

主人公がなぜここまでひどい目にあってしまうのか…。その理由として、作中では何気ない「(タワマンの)何階に住んでいるんですか?」という会話をきっかけに、主人公が妬まれてしまう様子が描かれています。作品の原案を手掛けた、探偵紹介アドバイザーの平井仁美さんに聞きました。

--こちらの作品は、探偵紹介アドバイザーの平井さんが実際に相談にのった方の話が元になったと聞きました。相談を受けたときの第一印象を教えてください。

平井さん:相談をしてこられたのは、作品中の主人公でもある「奈菜さん」です。奈菜さんと初めてお会いしたときの印象としては「感情を表に出さない方だな」と思った記憶があります。

不倫問題で私の元を訪れてくださる相談者様の中には、パートナーに対する怒りの感情をあらわにされる方も多いのですが、奈菜さんにはそのような様子が一切なかったのが印象的でした。

「旦那の不倫を大ごとにしたくない」というのが最優先事項だとおっしゃっていたのですが、その理由(ママ友関係)を後から知り、納得したのを覚えています。

--作品の中で主人公の奈菜さんは、少しの見栄のために夫との不和をママ友たちに隠していますよね。しかし、そのことがきっかけで、ママ友たちと気まずい関係になってしまいます。ママ友付き合いの難しさはどのようなところにあると思われますか。

平井さん:人間関係において「嫉妬」は付き物です。全てにおいて少し優位でいたい、でも妬まれなくない。「ママ友」というある意味閉鎖的なコミュニティでは、そんな複雑な心境がわかりやすく浮き出てくるのだと思います。

「子どもを守るため、ある程度うまく付き合っていく」と割り切れればよいのかもしれませんが、やはり人間である限り、嫉妬や見栄、または友情のようなものに翻弄されてしまうのも致し方無いものではないでしょうか。「ママ友」に限らず、狭いコミュニティの中での人間関係って難しいものですよね。

--ママ友とのうまくいかない関係が、幼稚園に通う娘の彩ちゃんにまで及んでいくところは、親として、憤りや恐ろしさを覚える瞬間だと思います。そのときの奈菜さんの心境はどのようなものだったでしょうか。また、平井さんが考える対応策など教えてください。

平井さん:娘さんに影響が出たことをきっかけに、奈菜さんのスイッチが切り替わったように感じました。それまでは他人の目を気にしていた奈菜さんでしたが、完全に目が覚めたといいますか…。

「母である」という事実によって女性は信じられないほどの強さを手にしているのだと感じました。

一方で、子ども同士のトラブルというのは基本的に避けられないものだと思っています。大人としてできることは、子どもの変化に気付いてあげること。そして早急に問題解決を目指すことではないでしょうか。

そういった点から考えても、奈菜さんの「幼稚園をやめる」という決断は、娘さんにとっても奈菜さんにとっても良いものだったと思います。

--作中では「タワマンの何階に住んでいるの?」という質問から、関係がこじれていくシーンが描かれています。何階に住んでいるかでマウンティング、というお話はときどきテレビなどで話題になりますが、実際にそのようなお悩みは多いのでしょうか。マンションやご近所付き合いといった、住居があって逃げられない狭いコミュニティでのお付き合いについて考えをお聞かせください。

平井さん:いわゆる「タワマン」に住まれている、ほかの相談者様のお話の中で印象的だったのは「自分より上の階に住んでいる住民と一緒にエレベーターに乗りたくない」という言葉でしょうか。

ご本人は当たり前のようにさらりと話していたのですが、「タワマン」の経験がない私は少し驚いたことを覚えています。

「どこのタワマンでもマウンティング合戦が行われている」というわけではないのでしょうが、少しピリついた空気が漂う瞬間も実際にあるみたいですね。

ご近所トラブルに関しては、誰かが引っ越さない限り解決しないような内容も多々あるんですよね。例えば「相談者様の家の目の前に住む方が不倫相手だった」なんて相談もありました。

この場合、当事者同士の関係が切れたとしても、元不倫相手が家の目の前に住んでいるなんて、気持ちの良いものではないですよね。

--作品の後半で、奈菜はその後、夫ときちんと向かい合い、両親の助けもあり、新しい生活に踏み出していきます。夫婦関係やママ友付き合いで悩んでいる方など、読者の方にメッセージはありますか。

平井さん:コミックスの中でご注目いただきたいのは、ママ友同士の繊細な心理描写でしょうか。目線や行間など「言葉にならない」ところでの駆け引きは、リアリティー満載でゾクッとします!

また実際に奈菜さんとやりとりをする中で、明らかに奈菜さんが変わったなと思うタイミングがありました。それは旦那さんとの離婚を決意したときでした。

言い換えればタワマンでの暮らし、家事や子育てにも協力的なエリート夫、みんなから憧れられる奈菜さん像を手放すことを決意した瞬間なんですね。そこから始まった奈菜さんの快進撃は、是非ご注目いただきたいです!

◆平井仁美(ひらい・ひとみ)1992年千葉生まれ。普通のOLだったが、“独身偽装”男の被害に遭ったことがきっかけで探偵になる。探偵事務所を経て、現在は探偵紹介サイト「探偵マッチングラボ」相談員として活動。

   ◇   ◇

平井さん原案の漫画『タワマンのママ友に夫の不倫をバラされた』はKADOKAWA刊。コミックエッセイの電子書籍レーベル「LScomic」シリーズの1冊です。同社サイトのほか、「ComicWalker(コミックウォーカー)」「Amazon/Kindle」などのサービスから読むことができます。

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