巨人ファンは閲覧注意?1992年甲子園でのオールスターの応援音源動画が話題に…当時を知る元応援団員を取材

今年も盛り上がりを見せているプロ野球のオールスターゲーム。そんな中、YouTubeに投稿されたある動画が話題になっている。1992年7月18日に阪神甲子園球場で開催されたオールスターで、ライトスタンドの応援を記録した貴重な音源だ。阪神ファンが球場を埋め尽くす中、巨人の選手が登場すると起こった事態とはー。録音した元応援団員の男性に当時のことを聞いた。

■スタンドは黄色いメガホン一色

取材に応じてくれたのは、YouTubeチャンネル(@muon.ouenka)で応援歌の演奏動画などを投稿している無音さん。90年代、阪神タイガースの私設応援団「甲虎会」でトランペット演奏などに励んでいた。今月に入り、自身で録音していた92年オールスターの音声をアップロードした。

この年の阪神は2位で前半戦を終える好調ぶり。ファン投票でも和田、久慈、亀山、パチョレック、八木と半数を超える5枠を阪神が占めた。無音さんによると、オールスター当日のライトスタンドはほぼ阪神ファンで埋め尽くされていたという。ファンを指揮する私設応援団もほとんどが阪神の団体で、ごくわずかに中日、巨人の応援団員がいたと記憶しているという。

■巨人選手の打席では「六甲おろし」「燃えドラ」演奏

そんなこともあってか、この日演奏された応援歌は「阪神祭り」。ヤクルトの池山、大洋の高木ら他球団の選手が打席に立つ際も阪神の汎用応援歌(2番)が流されるという、現代では考えられない“ユルさ”が音源から感じられる。なお、中日の応援歌は通常通り演奏する予定だったというが最後まで打席が回ってこず、結果的に1回から9回まで阪神の応援歌しか流れなかった。

巨人の選手も何人か出場していたが、果たしてどんな雰囲気だったのか。音源を聴くと、駒田の打席では「六甲おろし」や、本来は敵に演奏するアウトコールが流れ、凡退するとセリーグ側から拍手や歓声が飛んでいる。また岡崎の打席では関係のない「燃えよドラゴンズ」が演奏され、ヒットを打っても祝福の「337拍子」は流れていない。

なお無音さんによると、7回あたりから巨人の応援団(3人ほど)が応援歌を演奏し始めたが、ブーイングでかき消されていたそうだ。無音さんも「今思えば異様な雰囲気でしたね」と振り返る通り、現代ならSNSで大炎上しそうな事態だが、巨人が極端なヒールの扱いを受けていた時代の記録とも言えよう。

なお無音さんの音源には、阪神の各個人選手の応援歌や、スター選手だった亀山への大歓声、レフトスタンドから聴こえる当時の日本ハムやロッテのアウトコールといった貴重な音も入っている。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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