【子育て費用】世帯年収1000万円以上でも…「精神的な負担を感じる」6割近く

子どもを持つみなさんは子育ての費用についてどのような意識を持っているのでしょうか。6歳以下の子どもを持つ全国の男女8421人(男性3996人/女性4425人)に調査をしたところ、約7割の人が「精神的な負担を感じる」と回答しました。また、世帯年収1000万円以上の人でも6割近くが同様に回答したそうです。

日本生命保険相互会社(大阪市中央区)が、「子育て現役世代の大規模実態調査」と題して2023年3月にインターネットで実施した調査です。なお、回答者の年代の内訳は、20代以下:9.1%、30代:55.2%、40代以上:35.7%となっています。

調査によると、子育て費用について全体の70.3%が「精神的な負担を感じている」(強く感じている:25.7%・やや感じている:44.6%)と回答しました。これを世帯年収別でみると、1000万円以上の人でも、「精神的な負担を感じている」と答えた人は57.0%(強く感じている:19.7%・やや感じている:37.3%)に上っています。

さらに、全体の84.0%が「子育て費用が不足している」と回答しており、ひと月あたりの不足額は、「3万円以上」(27.1%)、「1万円~2万円未満」(24.6%)、「2万円~3万円未満」(20.8%)などが多くなっていました。

次に、「公的な子育て支援制度・サービスの認知度」を調査したところ、「内容まで理解している」割合が高いのは「児童手当」(83.7%)、「延長保育」(79.1%)、「幼児教育・保育の無償化」(72.3%)などの一方で、「家庭的保育事業(保育ママ)」(14.1%)、「認定こども園普及事業」(14.8%)などは認知度が低くなっています。

他方、現在就労している7199人に対して「職場にある子育て支援制度の認知度」を調査した結果、「内容まで理解している」割合が多かった制度は、「育児休業」(70.3%)と「短時間勤務」(50.5%)などが挙げられているものの、実際に利用したことがある人は、「育児休業」が40.5%、「短時間勤務」が20.1%に留まっていました。

なお、「フレックスタイム」(男性:36.5%、女性:28.6%)や「在宅勤務」(男性:30.8%、女性:27.7%)などについては男性の利用率も高くなっている一方、「育児休業」(男性:67.0%、女性:74.4%)や「短時間勤務」(男性:41.5%、女性:61.6%)など勤務時間に関わる制度については女性の利用率が高くなっています。

また、現在、本人と配偶者がどちらも就労している5633人に対して、「子どもが発熱などした場合、どのように対応することが最も多いですか」と聞いたところ、「自分が休む(付き添う)」と回答した女性は88.1%を占め、男性は15.7%に留まりました。

最後に、現在就労している7199人に対して、職場からの「子育てへの理解」についての考えを教えてもらったところ、「非常に理解がある」と答えた割合は、男性が17.3%、女性が30.6%。「やや理解がある」と答えた割合は、男性が51.3%、女性が49.9%という結果になったそうです。

   ◇  ◇

調査結果を踏まえて、ニッセイ基礎研究所生活研究部・上席研究員の久我尚子氏は、「高収入世帯でも負担感がある背景には、近年、教育費の負担が増していることがあげられます。もともと子育て期は、住居や自動車などの大きな買い物をする時期とも重なるため、現在の子育て世帯では、多方面にわたって負担感が増していると言えるでしょう」と述べています。

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