「自衛隊限定」の緑茶ですと!? “号令”が商品名になった激レア商品「整列休め」 駐屯地や基地内で主に発売

ペットボトル入りの緑茶は自動販売機、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどで簡単に買える。ところが、自衛隊の駐屯地や基地でしか売られていない、自衛隊限定の緑茶があるという。その名も「整列休め」。号令が商品名になっている500mlペットボトルの緑茶とはどんな商品なのか、一般財団法人防衛弘済会に聞いた。

■自衛隊内の売店か、限られた関連施設でしか入手できない

迷彩柄のラベルに赤で縁取った太文字で「整列休め」のインパクトある商品名。商品名の上には自衛隊の英訳「Japan Self-Defense Forces」の頭文字をとった「JSDF」とあり、横に「自衛隊限定緑茶」と表示されている。

「整列休め」とは、自衛官の基本動作のひとつ。「気を付け」と「休め」の中間的な姿勢だ。3年に1度、陸上自衛隊の朝霞訓練場で行われる中央観閲式で総理大臣や来賓から訓示を受けるときや、全国の駐屯地や基地の創立記念行事などで、整列した部隊が観閲官の訓示や来賓の挨拶を受ける際に、両手を後ろに回して背筋をビシッと伸ばしている姿を見たことがあるだろう。これが「整列休め」の姿勢である。

「宮崎県農協果汁株式会社に製造を委託し、2013年から販売し、3回ほどのパッケージ変更を経て現在に至っています」

年間約2万本売れているという「整列休め」は、その名の通り、陸・海・空自衛隊の駐屯地または基地の売店で販売されており、コンビニやスーパーなど一般の店舗では買えないレア商品だ。創立記念や夏の盆踊り大会などのイベントで、駐屯地や基地が開放される日には一般の人も買うことができる。

また駐屯地や基地以外で、一般の人が買える場所もある。「北海道旭川市にある北鎮記念館(旭川駐屯地に隣接)と、新潟県新発田市にある白壁兵舎広報史料館(新発田駐屯地に隣接)があります」とのこと。いずれも開館時間内であれば入場でき、施設の売店で買い物もできるそうだ。

■自衛隊員のためにさまざまな支援活動を行う防衛弘済会

自衛隊限定商品は「整列休め」の他にも、コーヒー、健康ドリンク、スイーツなどのほか、タオルやハンカチなどの日用品など多岐にわたる。

「防衛弘済会売店で販売している全商品の売上が、防衛弘済会の維持・運営のための財源になっており、自衛隊員の福利厚生の一翼を担っているほか、殉職自衛隊員遺族への支援にも繋がっています」

自衛隊ファンに人気のグッズの売り上げも、もちろんこれらの事業に役立っているのだ。

ところで、一般には聞きなれない「防衛弘済会」とは、どんな団体なのだろう。

1965年10月に旧防衛庁が所管する財団法人として設立され、2013年に公益法人改革により一般財団法人となった。

主な活動は防衛思想の普及、防衛行政の効率的な推進に資する事業並びに国際協力活動への貢献活動、自衛隊員及び家族に対する物資及びサービスの提供その他福利厚生並びにこれに付帯する事業など多岐にわたる。

また、駐屯地や基地で提供される食事の調理、配食作業、食器洗浄作業などの業務を受託して、隊員の生活を支える重要な役割も担っているのだ。

記念行事やイベントなどで駐屯地や基地を訪れ、売店で「整列休め」を手に取った際には、レア商品をゲットした感激と併せて、自衛隊員を支える防衛弘済会の存在も思い出してほしい。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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