ツンデレは猫だけじゃない、我が道を行く保護犬が話題 心を許したスタッフには「俺の子分」

東京・足立にある保護犬猫カフェ「PETS」。未来の里親さんが保護犬や保護猫とふれあい、くつろげる場として知られれており、ここで繋がったワンコ、ニャンコは数多くいます。

ただし、中にはその個性的なキャラクターが多くの人に愛されながらも、新しい里親さんがなかなか見つからない保護犬がいます。

太郎という和犬のオスの保護犬で、その男気あふれる性格から「俺様太郎」と呼ばれ、カフェスタッフや多くの来訪者の心を奪い続けています。

■太郎からのトラップ。触ってくる人にガブッ!

太郎は、短い鼻がチャームポイントの丸々としたかわいい柴犬です。そして、無表情のまま人に近寄ってくるため、普通の犬好きの人なら「かわいい」と撫でようとすると思います。しかし、これは太郎からのトラップだったりもします。

太郎の体を誰かが触ってきようものなら容赦なく咬みつき、人間を威嚇します。太郎はもともと知らない人間が嫌いで、ワシャワシャと体を触れたり頭を撫でられることも嫌いで、さらには他のワンコも嫌いという孤高すぎる保護犬です。しかし、この「全く人に媚びない」様子がまた人気者として太郎が注目を浴びるゆえんでもあります。

■ツンデレすぎる太郎の寝顔に母性くすぐられまくり

太郎のゴーイング・マイウェイぶりはスタッフの散歩でも発揮します。リードを引いてくれるスタッフに対してはお構いなしで、地面や草などを細かく鼻で嗅ぎ回り、場合によっては「ここは俺の道だ」とばかりにマーキング。すれ違うワンコからのコミュニケーションもいっさい無視して闊歩します。

そして、目当ての広場に辿り着けば、機敏で自由に走り回るというヤンチャぶりで、どことなく「犬らしい血」を強く持っている印象です。

確かにクセがあるワイルドな太郎ですが、心を許したスタッフには咬みつくようなことはなく、むしろ「お前は俺の子分だから」と言わんばかりに優しく接してくれる様子も。この太郎の激しいツンデレぶり、コミュニケーションが下手すぎる様子に、スタッフも「かわいすぎる!」と特別な感情を抱いているとのことです。

さらにかわいすぎるのが、太郎の寝顔です。ひとしきり散歩しまくり、威嚇し終えた後、ぐっすりと眠る姿を見ると、確かに手はかかる性格だけど、どうも放っておけないような、母性をくすぐるところがあると言います。

■太郎の「犬らしい性格」を愛してくれる里親さん募集中

内弁慶でときに攻撃的、人も他のワンコも苦手の太郎ですが、逆に言えば、一度心を許した相手には全幅の信頼を寄せるでしょうし、ときに太郎のほうから優しく接してくれそうにも思います。

保護犬猫カフェ「PETS」では、問い合わせをもらう里親希望者に対して、こういった太郎の性格や特徴を包み隠さず説明しますが、コミュニケーション面での不器用さから、現在もなかなか里親が見つからず、すでに1年ほどが経過しているとのことです。

それでもスタッフは、「太郎は太郎だから、そのままでいいんだよ」と太郎に話します。そして、この太郎の「犬らしい性格」を愛してくれる里親さんとのマッチングを気長に待っているとも語ってくれました。

スタッフはそんな穏やかな思いを抱きつつ、今日もまた太郎に「連れられて」散歩に行く日々をおくっています。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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