「ひっぱりだこ飯」の淡路屋が鉄道開業150年にあわせ「レール型箸置き」を発売 発案者の副社長を直撃した

 「ひっぱりだこ飯」でおなじみの淡路屋が、なにやら、またうごめいている。

 去る10月14日は鉄道開業150年の記念日。界隈はなにかと盛り上がっているが、明治36年から神戸で駅弁を製造・販売してきた淡路屋も、もちろん黙ってはいない。同社が用意した鉄道開業150年記念商品は3つ。

1)戦後すぐに使用されていた掛紙を復刻した「むかしの驛辨當」

2)容器も中身もちょっと豪華な「鉄道開業150年記念ひっぱりだこ飯」

3)鉄道と食にまつわる記念品「レール型箸置き」。中でも、ありそうでなかったレール型箸置きが目を引く。

 これまで、JR貨物コンテナを模したお弁当や、ゴジラに兵庫県警にとコラボの幅が広がり続けるひっぱりだこ飯。その壺をモチーフにしたグッズなど、珍商品を企画しては世間をザワつかせてきた。きっと、今回も一筋縄ではいかない背景があるに違いない。その開発秘話を探るべく、筆者は淡路屋本社の門を叩いた。

■「レール型箸置き」開発秘話...!

 一歩足を踏み入れると、今はもう入手困難なレア商品がしれっと紛れたギャラリーがどーん。お宝に後ろ髪を引かれつつ案内された応接室で待っていると、創業120年の老舗企業という看板からはあまり想定していなかった愉快そうな人物が現れた。数々のヒット商品を手掛けてきた柳本雄基副社長である。今回の記念商品もすべて発案したという。

 鉄道の歴史とともに走ってきた駅弁屋さんにとっても、大きな節目であるだけに、かなり早い時期から構想を練られていたのではないだろうか。柳本さんに質問をぶつけると…。 

 「7月の終わりごろ渋谷で飲んでる時に、ふっとアイデアが降りてきたんですよ。駅弁屋として鉄道をお祝いすると考えた時に、レールの箸置き・食品メーカー・鉄道...全部つながる。うん、きれいやなと。8月に入って取りかかって、形が決まったのは9月半ばくらいですね」

 めっちゃ最近の話でした。なんでも、アイデアは常に考えているので、ふとした時、特に朝のシャワータイムにまとまることが多いらしい。筆者も、シャンプー中にいい書き出しをひらめくことが多いので、分かります。”濡れ手に泡”な話はさておき、試作段階では苦労もあったのでは?血と汗と涙がにじむような苦労話、何かあるんじゃないですか?

 「まぁ、そこは陶器屋さんと阿吽の呼吸で、3回目で今の形に。はじめは表面が真っ平らで、箸が転がる。そしたら次に、真ん中をおもいっきり削った試作品があがってきたので、レール削ったらあかんやろ!と。で、すごく微妙にたわませて箸が転がらないよう調整してます」

 ちなみに、原型を制作した陶器屋さんは、おもいっきり削ったバージョンで2000個の成形を既にすませていたらしい。焼く前の粘土状態だったので事なきを得た、というエピソードの端々から淡路屋に関わるみなさんが心から楽しんで「ものづくり」をしている様子が伺えた。これが淡路屋から発せられる魅力の源かと、納得。

 陶器製だけど鉄に見える、とても不思議なこだわりの塗装が施されたレール型箸置きは、3色セットで税込2000円。淡路屋の各店舗では2種類の記念弁当とあわせ、既に販売されているが、オンラインショップでの取り扱いは11月1日午前10時から開始される。

 主な店舗はつぎのとおり。

【駅構内売店】

JR新神戸駅、JR神戸駅、JR西明石駅、垂水駅、JR鶴橋駅

【百貨店・ショッピングセンター内店舗】

大丸神戸店、神戸阪急店、阪神百貨店梅田本店、高島屋大阪店、高槻阪急店、西神中央店、川西阪急店、宝塚阪急店、西宮阪急店、千里阪急店、芦屋大丸店

 いずれも数量限定。レール型箸置きのオンラインショップ発売初日は、朝10時から購入受付が開始される。最新の情報は公式Twitterにて。公式Twitterでは、今後発売予定の新商品もさり気なく写り込ませるなどの遊び心が凝らされているとのことなので、スミズミまで見逃せない。タコだけに......。

(まいどなニュース特約・脈 脈子)

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