元高級風俗嬢、家庭崩壊、一家離散、離婚、再婚、出家……波乱万丈すぎる現役尼の「ぶっとび説法」が話題

家庭崩壊、一家離散、高級ソープ嬢、離婚、再婚、出家を経て、現在は二児の母……壮絶な経験を積んできた現役尼の野寄覚令(のより・かくりょう)さん。女性を中心にあらゆる相談を受け続け、その数は1万件を超えるそうですが、いずれの回答も相談者の立場に全く同情・同調することがなく、「本当に必要なこと」のみを淡々と答えてきたと言います。

しかし、この毒舌ぶりが人気を博し、子育て世代向けの有料オンラインサロンのメンバーは7百人を超え、インスタグラムのフォロワー数は4万人と、なかなかの支持を集めています。

「毒舌」とも言えるこれまでの人生相談の回答から、特に女性にとって切実な悩み、願い、本音が詰まっているものをセレクトし、一冊に凝縮した本が刊行されました。

■「中身を見てもらえない」ではなく、「中身をちゃんと見た上で惚れられていない」可能性が高い

書名『だから、あなたは愛されないの。』にもある通り、迷える子羊からの切実な相談に対し、グサグサと言い切っていく様が痛快。相談者のモヤモヤした気持ちはもちろん、第三者の読者も清々しく読める一冊ですが、ここでその一例をピックアップしご紹介します。

Q.「友だちとか妹って感じがする」と言ってフラれました。女として見てもらうためにできることはありますか?

A.「友だち」「妹」とはつまり、生理的に無理→ヤレません……という意味だと受け止めるところからスタートなのですが、大丈夫ですか? 生きていますか?

Q.外見よりも中身を好きになってもらうにはどうしたらいいですか?

A.本音で語ると身も蓋もなさすぎるのですが、ガチで言うと、内面に好きになるところがない可能性が高いです。中身もちゃんと見てると思いますよ。その上で惚れられてないだけです。

Q.婚活頑張っていますが、なかなか好きな人が見つかりません。このまま一人の老後かと思うと不安です

A.好きな人が見つかって「結婚=老後の不安解消」ではありまへん。仮に結婚できたとしても、今のままのあなただと5年以内に離婚か、「こんなはずじゃなかった……」と、ずっと文句言いながら結婚生活を続け、挙げ句の果てに、老後独りの不安が嫌だったにもかかわらず、「旦那ウザいから早く◯んでくれ!」とか思ってそう。乗っかる気満々の依存度大な人に、結婚は向きませんよ。

近年、有名人や作家はもちろん、一般層でもこれほどまでにズバズバ言う人がいなくなった気がしていただけに、野寄覚令さんの「ぶっとび説法」が多くの支持を受けているのも納得です。他方、単にぶっきらぼうに、意地悪に回答しているわけではなく、あくまでもフラットに、ごくごく自然な回答をしているのも心地よく、これは野寄覚令さん以外、誰にも真似できないものだとも思いました。

■1万件を超える相談の中には、妻・夫、はたまたそれぞれの両親が個別に相談してくるケースまで

本書の冒頭では、野寄覚令さんの経歴を含め、読者への思いが、これまたズバリと以下のように綴られています。

「この本は、人生という海で溺れるあなたが、最後に摑む藁であり、私はその踏み台です。

なぜ、この本が掴む藁であり踏み台なのかと言いますと、あなたがどれだけイマイチでも、鈍臭くても、美人でも、ブスでも、育った家庭がヤバ目でも、性格破綻者でも、社会的成功者でも、墓場まで持っていく覚悟のやらかした過去があろうとて、私は心の底からそんなことはどうでもいいと思っているからです。

私は幼少期から両親の小競り合い、暴走、暴言、殴り合いをずっと間近に見てきて、男女とは……を考え始めた年齢は5歳頃でしょうか。

さらにぶっちゃけますと、その結果、家庭崩壊して、一家離散し、十代で自分の力で生きていかなければいけなくなった結果、『宗教法人 水商売』に入信しまして、ジャンルとしても最後の砦である、例のあの泡泡ランドに所属していたこともあります。

それもあって、これまで多種多様な男と女を見てきましたし、千差万別な珍事とも、山ほど遭遇してきましたね。

また出家してからは、1万件以上の方のご相談に乗り、ひどい時は妻と夫、さらにその親それぞれが個別で相談をしてくるという、ナニコレ珍百景みたいなこともありました。

~略~

ゆえにあなたの不幸という不協和音に一切の感情移入もせず、淡々と幸せという方向性にベクトルを調律しようと思っています」(本書より)

■悩める女性の救いとなる指針満載。辛気くさくなく笑いもある人生指南書

人によっては過激とも取れる本書ですが、どのような経緯・思いで出版したかを発行元・光文社の担当編集者にも聞いてみました。

「本書刊行の前に、著者の野寄覚令さんと一緒にラジオ番組(MBSラジオ『尼のよりんの朝の説法千本ノック』)をやっている、作家の荒川祐二さんから『すごく面白い人がいるので、紹介をしたい』との連絡をいただき、お目にかかりました。

実際の野寄さんは、とても魅力的な方で、そのプロフィールとも相まって、スター性を感じ、その場で出版を決めました。

野寄さんはすごくしっかりした世界観をお持ちの方で、原稿にもそれが反映されていたため、その世界観を壊さないようなデザインにする必要がありました。野寄さんのイメージにぴったり合うデザインに至るまで、デザイナーの方には、何度もデザイン案を出していただきました。

本書には、悩める女性の救いとなる指針がたくさん詰まっています。といっても、辛気くさい本ではありません。しっかり笑えますし、ちょっと強めに背中を押してくれる話もたくさん出てきます。人生に迷っている方に、オススメです!」(光文社・担当編集者)

久しぶりに痛快な人生指南書に出会いました。基本的には女性向けに綴られていますが、男性が読んでも目からウロコのぶっとび説法満載です。ぜひご一読ください!

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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