安倍元首相銃撃、体内から1発の銃弾が消えていた! 警備ミスに続く失態浮上も非公表…元刑事「隠蔽」と苦言

安倍晋三元首相(享年67)が7月8日に奈良市内で参議院選挙の応援演説中に銃撃されて死亡した事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が8月5日、当サイトの取材に対し、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)に銃撃された安倍氏が受けた2発の銃弾のうち1発が見つかっていないことを指摘。その点について警察側から正式な発表がないことに疑問を呈した。

小川氏は「銃撃された銃弾の1発がなくなっているということを、自民党の参議院議員・青山繁晴氏が自身のYouTubeで7月下旬に発信しています。にわかには信じられませんでしたが、発信している人が現職の国会議員ですし、青山さんとはテレビ番組で何度かご一緒したこともあり、よく存じ上げている信頼できる人です。その後、NHKが7月29日に『安倍元首相が体に2発受けたとみられる銃弾のうち1発が見つかっていないことが捜査関係者への取材で分かった』と報道しました。ある程度の(立場にある)幹部の話だと思います。発表ではないが、記者から当て取材を受け、銃弾がなくなっていることを認めたということになります」と説明した。

事件現場は、銃撃事件が発生した近鉄大和西大寺駅北側の商業施設などが立ち並ぶ一角。報道によると、事件から5日後の13日に検証が行なわれたが、銃弾は確認されてないという。1発の銃弾が、司法解剖などで医師が調べた際には体内から見つかっておらず、現場での救命措置などの際に体の外に出た可能性も考えられるという。奈良県警捜査本部は「捜査には支障がない」としている。

小川氏は「銃撃時に銃弾が体内から外にポロッと出たとすれば、その弾はどうしたのか? 現場で救命措置の時に外に出た弾を誰かが拾って持ち帰ったのか、それとも公にするとまずいものだったのか? 本当に、疑問が残る話です。今回は『盲貫銃創』といって、体内に銃弾がとどまっている傷。その中から1発が消えている。CTでも司法解剖でも見つかっていません。ただ、銃弾の行方が分からなければ事件にならないというものではないので、奈良県警は『捜査に支障はない』としているが、山中で発見されたご遺体などではなく、白昼の街中で公衆の面前で襲撃されました。その弾が見つからないという、そんなことがあるのかなと思うと不思議でしょうがない」と首をかしげた。

その上で、小川氏は「現場検証は検証許可状を裁判所から取って、周囲を規制して行なう。私はちょうど13日の検証の日にも現場に行っていたが、『消えた銃弾』はその日も公にされていなかった。現職の参院議員である青山さんが発信したから分かったのであって、この話をしなければ銃弾がなくなっていることは表に出なかった。しかも、青山さんがこれだけ騒いだにもかかわらず、警察からの正式な発表はない。NHKの取材に対しては1発がなくなったことは認めているが、正式な発表ではない」とした。

小川氏は「ここで出て来るのは『隠蔽疑惑』です。白昼、街中の公衆の面前で起きた事件なので、奈良県警は発表すべきでした。事件発生時に警護警備のミスがあったことは奈良県警の本部長も認めていますけど、それに上塗りして銃弾が消えてしまった。見つからなかったのかもしれないが、それを隠すと、こうして後から明らかになってしまうのではないか」と苦言を呈した。

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