神戸どうぶつ王国に「コツメカワウソ生息地」誕生!! “野生の姿”を通して環境問題に関心を 広さ国内最大級で「探す楽しみ」も

木々のアーチをくぐり抜けると目の前に広がる大きな池。草木が風に揺れ、大小の岩がゴロゴロしています。木道を進むと、右からも左からも真下からも何やら甲高い鳴き声が。見回すと…いますいます、コツメカワウソがたっぷり!!

 

草むらから現れた1頭が泳ぎだすと、遅れを取るまいと次々にスイーッと池へ入っていきます。早い早い。潜ってしまうとかなりの確率で見失ってしまい、「どこ?」状態に。もうこれは一瞬たりとも目が離せません。つまりここはとても広く、自然あふれる「コツメカワウソ生息地」なのです。

「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区)に7月22日、新エリア「オッターサンクチュアリ ~コツメカワウソ生態園~」がオープンしました。コツメカワウソの公開施設としては国内最大級の広さを誇り、総面積約880㎡。野生での生息地である南アジアから東南アジアの河川や沼地の環境を再現しています。

その野生の生息地では農地開発や森林破壊による環境破壊が進み、毛皮目的の狩猟で数は減少。さらに状況を悪化させ、コツメカワウソたちの命を脅かしているのが、昨今の「ペット需要」を反映した密猟、密輸が行われているとされる問題です。王国では、コツメカワウソの“真の姿”を見ながら、このようなさまざまな問題にも目を向けてもらいたいと、クラウドファンデングの支援も受けて、新エリアの整備を進めたのです。

ここで暮らすのは、母子ファミリーと、密輸から救われ関西国際空港で保護された個体など、合わせて9頭。群れごとに区切られたスペースで、のびのびと自由に動き回る様子を見ることができます。名前の由来にもなった小さな爪も近くに来たらよく見えそう。前足を器用に使って物をつかんだり、風に揺れる草を咥えようと口を開けば、鋭い歯も観察できます。また、展示エリアの広さゆえ、コツメカワウソを探すこと自体も楽しみの一つ。野生ではどんな暮らしをしているのか、本来の動きや能力をたっぷり観察できます。

見る側にとっては「没入感」に浸れるほどの自然豊かな情景。景観に加え、コツメカワウソの命を支え、本来の行動を生み出すための工夫が施されています。「野生の生息地と同じような環境をつくるため、さまざまな条件を満たす植物を選びました。10m級の高木や、水質改善にも活躍するヨシなども植え、コツメカワウソが見えないくらい草が茂ればさらに野生味を感じていただけるのでは」(植栽担当の南都善彦さん)

エリア内には、生態や、取り巻く問題を紹介するパネルもあります。今後、コツメカワウソたちの様子を見ながらガイドも行っていく計画で、飼育担当の江崎幸子さんは「野生の環境に入り込んだような感覚を味わいながら、とても賢く器用で、かわいらしい姿をご覧ください。そして野生の現状や人との関わりにも関心を持っていただければと思います。エリア内にはスタッフが常駐しますので、何でも聞いてください!」と話します。

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

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