戦時下の鉄道マンへのメッセージ込めて…青と黄の電車が運行開始 ことでんがウクライナを支援する理由

青と黄の配色の車両が、高松琴平電気鉄道(ことでん、香川県高松市)の琴平線で19日、運行を始めました。もともとラインカラーが黄色の琴平線の車両に同社ロゴやキャラクターのイルカのことちゃんの青を彩ることで、大国の侵攻に屈しないウクライナの国旗の配色と重ね合わせています。車両の側面には、ウクライナの鉄道従業者への英文メッセージも。「死の恐怖と闘いながら、人々を守るために鉄道を走らせるウクライナの鉄道事業者に敬意を示したかった」と話す担当者に聞きました。

ラッピング電車は車体番号1207と1208の1編成2両で、4月19日から11月下旬まで琴平線を走ります。車両上半分に青色をラッピングすることで、同国の国旗と同じ配色になり、敬意と連帯感を表します。車体には3つのメッセージが書かれています。

We stand with you. (あなた方と共にあります。)

-To the Ukrainian railway operators working to protect people’s lives-(人々の命を守るために働くウクライナの鉄道従事者へ)

We wish for world peace.(世界平和を願っています。)

同社地域開発本部の担当者に聞きました。

ーロゴとことちゃんの青、琴平線のラインカラーからウクライナを着想したのは

「ロシア軍の侵攻から約1カ月半が経ちました。ウクライナの線路や駅が破壊され、地雷によって鉄道事業の従事者が殉職するなどのニュースを知りました。そんな中でも、ウクライナ鉄道は運行を守り、これまでに避難民300万人以上を隣国へ運び、支援の医薬品や食料を届けるべく国内を走っています。ウクライナで鉄道の運行を担っている人々は、私たちと同じように日常の平和な風景の中、鉄道を走らせていたはずです。しかし日常が奪われた今も人々を守ろうと鉄道を走らせています。同じ鉄道事業者として敬意を表し、平和に向けて、何かできないかと考えました」

ーメッセージに込めた思いは

「同じ鉄道事業者、配色にご縁を感じました。英文は私が考えました」

ーラッピング電車以外には

「当該列車が走る期間、高松築港駅、片原町駅、瓦町駅、仏生山駅の改札口付近に募金箱を設置します。5月3日からステッカー(1枚500円)をオンラインショップで販売します。募金と売上金はすべてウクライナ大使館に送ります」

仏生山駅で運行開始を待つ車両をSNSで公開したTwitterユーザーのらぶあーす(@lovearth)さんは「日本の交通事業者として、ウクライナの鉄道事業者に心を寄せる取り組みは意義があることだと思います」と話しています。

(まいどなニュース・竹内 章)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス