誰でも知ってるラジオ体操、その効果をご存知? 正しいやり方を「ラジねえ。」が教えます!

新年度がスタートする季節は、何かと慌ただしい季節でもある。おかげで疲れがたまるばかりという人も少なくない。そのような時にお勧めなのが「ラジオ体操」だ。ご無沙汰の人は「今さら?」と思うかも知れないが、曲が流れただけで自然に体が動く、これほど日本人に知られたエクササイズはない。

「ラジオ体操は、誰でも気軽に3分で全身運動が可能な、効率のいい体操。時間のない人にこそオススメです」と語るのは、京阪神を中心に活動するラジオ体操インストラクター「ラジねえ。」こと、上羽悠雅(うえばゆうが)さんだ。

■もっと身近に、もっと手軽に

「ラジねえ。」は現在、ラジオ体操を広めるために企業や自治体と協力して、イベントや講習会の実施や、昼休みなどの休憩時間に職員や社員とラジオ体操を行う活動を展開。またカフェとコラボレーションして、1時間体操した後に健康ランチを食べてもらう「ラジオ体操ランチセット」など、ユニークな取り組みにも積極的だ。ビジネスマンや主婦層以外にも、10~20代の若者向けにスタイリッシュラジオ体操を考案。5人組でスーツを着たままラジオ体操を行うプロモーションビデオを制作した。

「『ラジオ体操は古い』『ダサイ』といったイメージをなくしたかった。ターゲットごとにアレンジを加え、老若男女を問わず全ての世代にラジオ体操の良さを知ってもらいたい」と、熱く語る「ラジねえ。」。活動を始めたのは2020年の秋頃からだそうだが、なぜラジオ体操なのだろうか?

■老若男女ができるエクササイズ、「ラジオ体操」を再発見

上羽さんは、幼い頃からバリバリのスポーツ少女だった。小学校は野球、中学から大学まではバスケットボールで、コートを走り回った。スポーツは真面目にストイック、でもコートから一歩出るとほんわかした性格が愛され、クラスの人気者だったという。

しかし好きだった野球では、女子は公式戦に出られないのでバスケに転向。甲子園で大活躍する兄を羨ましく思うなど、満たされない思いを抱くこともあった。「今になって、野球の強豪校に進学して、下宿生活で一人頑張っていた兄をすごいと思えますけど」と笑いながら語る上羽さんは、大学卒業後もスポーツ関係の企業で働いた。

スポーツメーカーの商品企画部で奮闘したり、公式キャラクターの新プロジェクトを発足させて全国を飛び回ったりと、その働きぶりが認められて最年少で奨励賞受賞。そうした実績を見込まれ、念願だった阪神甲子園球場の職員となり、企画・プロモーション担当として採用された。チームで過去最高売上を達成するなど、そこでも結果を出し続けた。

やがて、自身の内面の変化に気づく。

「自分に満足できなくなりました。社会人として鍛えてもらい、人や周囲に恵まれた環境にいるのになぜだろうと考えた時、いくら自分で目標を立て達成し、周囲から評価されても、それは社内評価でしかないと気づいたのです。だったら、広く世の中から認められれば満足できるかもしれないと思いました」

偉そうかも知れませんが…と語る上羽さんだが、スポーツの世界で常に自分で目標を立て、結果を出し続けてきたからこそ至った考えだったのだろう。しかし退職するも、その後何をするのか必死に悩み続けた。

そこで徹底的に自己分析し、自分の好きなことや得意なこと、そして世代を超えて役立てる活動は何かと考えた。当時は、新型コロナウイルスの拡大期。自粛続きで、運動不足に加え、人とのコミュニケーションの機会も減っていた。実は上羽さんはヨガインストラクターの資格も持っているが、ヨガは楽しむ層が限られる。

「みんなと一緒にやれて、みんなをつなぎ、みんなに役立つことは何かと考えた時、出てきたのがラジオ体操でした」

■魅力と効き目にせまる

ラジオ体操第一の3つ目に、「腕を回す運動」がある。腕を上げる時、一緒に踵を上げる人がいるが、「ラジねえ。」によると踵を着地して行うのが正しい。下半身を安定させれば、肩甲骨周辺がしっかり動くからだ。この運動のポイントは肩甲骨。ポイントを意識することで運動効果も高まる。

「下半身をどっしり降ろして肩を回すからこそ、肩甲骨周辺にしっかり効きます。踵を上げると下半身が不安定になるので、効き目が薄れるんです」

さらに腕は、横方向へしっかり回すこと。そして肩甲骨周辺を意識しながら何度も回すと両肩が温まり、その後は肩が軽く感じられる。

ラジオ体操第一だけでも13種類の動きがあり、その順番にも、動きの一つ一つにも、意味と目的があるという。

ラジオ体操の魅力について「ラジねえ。」は、「みんなで一緒に行うと、自然に笑顔が広がります。今は、みんなとラジオ体操をする時間が最高に幸せです」と話す。

朝の運動に、午後の気分転換に、また体調を整えたい人にもぴったりのラジオ体操。ラジオ体操に関する健康情報は「らじねえ。」のホームページに掲載されている。YouTubeに動画もあるので、ぜひ試してみよう。

(まいどなニュース特約・國松 珠実)

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