片脚を失った子猫 イブの朝わが家に迎えた 「強く生きて」とテツと命名 今ではキャットタワーに駆け上がる元気印

■片脚がちぎれていた子猫

テツくん(4歳3カ月・オス)は、2017年10月8日、野良猫が産んだ3匹の子猫のうちの1匹だった。テツくんの母猫が子猫を身ごもっている時から個人ボランティアが気にかけていたが、出産後、母猫は子猫たちの世話をしている様子が見受けられなかった。そこで、ボランティアが子猫たちを保護してミルクを飲ませて育てたのだという。

テツ(当時ルネ)くんは、保護した時、右後脚の膝関節から下がちぎれて出血していた。特に身体が小さかったこともあり、保護主は毎日キャリーに入れて一緒に車で出勤したそうだ。

■里親希望者現れず

東京都に住むNさんは、2012年9月にサスケくんという黒猫の里親になったが、サスケくんはとても甘えん坊で、留守番をさせると、出て行く時も帰ってきた時も玄関で大きな声で鳴いていた。

「1匹では寂しいだろう、新しい子を迎えようと夫が言い出したんです」

夫妻はいろんな譲渡サイトや譲渡会情報を見ながら、「我が家に迎えるなら、なかなか貰い手がなさそうな障がいや病気を負っている子を迎えてあげたい」と考えた。やがて、「ネコジルシ」という譲渡サイトで、右後脚のかかとがない子猫を見つけた。その子がテツくんだった。

「他の子猫には掲載後すぐに問い合わせが入っていたのですが、この子には問い合わせが全く入っていませんでした。それも気になったので、夫と相談して保護主さんに連絡を入れました」

その後、LINEでやり取りして、譲渡してもらうことが決まったという。

■クリスマスイブのプレゼント

2017年12月24日クリスマスイブの朝に、保護主がテツを連れてきてくれた。テツくんは、生後2ヶ月近く経っていたがとても小さく、ようやく1キロを超えたぐらいだった。まだ子猫だったので、夫妻にもすぐに慣れて、初日からゴロゴロと喉を鳴らした。

「夫とソファの間に挟まれて寝ていて、とてもリラックスしていました」

保護主の家にも大きな猫たちがいたので、彼らに囲まれて暮らしていたテツくんは、サスケくんを見つけるとすぐに近寄った。しかし、子猫を見るのが初めてだったサスケくんは部屋の隅っこにいて、初日はテツくんが近づくと低い声で唸った。翌日からはテツくんがより積極的になり、「一緒に遊ぼうよ」と後を追うようになったという。

サスケくんも、テツくんを警戒してはいるものの、遊びたい気持ちもあるようだった。

「テツを見ながらお腹を見せて転がることもありました。二人の距離はどんどん縮まり、すぐそばで寝ていても気にしないようになり、一週間経つ頃には触れあえるようになりました」

■強く生きられるように

右後脚のかかとから先がなかったこともあり、「強く生きられるように」と夫が強そうな名前として「テツ」と命名した。

サスケくんはテツくんがかわいくて仕方がないようで、テツくんのお尻や顔、全身を丁寧に舐めてあげた。テツくんもサスケが寝ているところに自分から近づいていき、ぴったりくっついて眠るという。

「じゃれて遊ぶ時、まだ子猫だったテツは力加減を知らないので全力でサスケに掴みかかっていきました。サスケは痛かったと思いますが、抵抗もせずに受け入れてあげて、サスケの懐の大きさに感心しました」

ちぎれて出血していた右後脚は、既に傷口は治っていたので、動物病院でも「このまま様子をみましょう」ということになった。腰への負担や動きの制限を考えて義足を作ることも考えたが、いまは、テーブルに飛び乗ったりキャットタワーを駆け上ったり、健康な猫と変わらないような運動能力を発揮しているという。

■2匹の猫と暮らして心穏やかに

サスケくんが寂しくないようにと迎えた子だったが、テツくんは温厚で、いつも笑顔を見せてくれるので、家族の中心になった。

「我が家にもますます笑顔が増えました。テツとサスケが仲良くしている姿には本当に癒され、優しい気持ちになれます。3本脚であるハンデを全く感じさせないほど元気に駆け回っている姿にも元気をもらっています」

歳をとると、もしかしたら脚への荷重の負担から骨盤のずれや腰の痛みなどが出てくるかもしれないとNさんは心配しているが、今は何も問題なく元気に過ごしている。子猫の時に保護して大切にケアしてくれたボランティアに、心から感謝しているという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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