ブリーダー宅で生まれたスコフォ 猫風邪の後遺症で片眼になったが、里親先で「ギャップ可愛い」猫に成長

スコティッシュフォールドのミルキーちゃんは、生まれて間もなく猫風邪をひいた。獣医師から「一度猫風邪をひいた子は、再発しやすいので繁殖には向かない」と宣告されたブリーダーは里親を募集することを決断した。しかし、猫風邪の後遺症で片目が潰れてしまった。

■繁殖用猫になるはずだったが、里親を募集

2015年2月20日に生まれたミルキーちゃん。しかし、健康管理が行き届かず、猫風邪をひいて体調を崩してしまった。最初は繁殖用に残したいと思っていたブリーダーだが、獣医師から「一度猫風邪をひくと、ウイルスが体内に残って再発することがある。里親を見つけたほうがいい」と進言を受け、その獣医師の病院で里親を募集することにした。

一方、後に飼い主になる新潟県に住む岩木さん夫妻は、2011年に愛猫を失っていた。夫はペットロスに陥り、「もう一度猫を飼ったら、亡くなった時、立ち直れないかもしれない」と、新しい猫を迎える気にはなれないようだった。

ミルキーちゃんの里親を募集していた動物病院は、実はその天国に旅立った猫を診てもらっていた同じ病院だった。そこでアメリカンショートヘアの血が入った子猫の里親を募集していると、岩木さんは父親から聞いた。獣医師に話を聞くと、アメリカンショートヘアの子猫ではなく、スコティッシュフォールドの子猫がいるという。2015年3月中旬、再び猫を飼いたいと思っていた岩木さんは夫を説得、里親募集の張り紙を見に行った。

■片目が潰れていたミルキーちゃん

動物病院を訪れると、ちょうどその日、ブリーダーが治療のためにミルキーちゃんを連れに来ることになっていた。ブリーダーは兄弟猫と一緒にミルキーちゃんを連れて来た。その中に猫風邪で片目がつぶれた子猫がいた。

「ミルキーは片目が潰れていましたが、私は実家でもたくさんの猫を飼っていました。一時は30匹くらいいたのです。可愛い猫は里親希望者が現れますが、器量が悪い猫は残ってしまう。他ではもらってもらいにくい子を飼おうと思っていたので、ミルキーのことも抵抗なく受け入れました」

ミルキーちゃんは、すぐには母猫と離せないので、2、3カ月待ってくださいということだった。岩木さんは、首を長くして待った。途中、待ちきれなくなって、獣医師に「まだですかね…」と聞いたこともある。

■女王様ミルキーちゃん

そして、ついにミルキーちゃんが岩木家へ。当時、夫に生き物に慣れてもらうためにモルモットを飼っていたのだが、ミルキーちゃんはモルモットと遊ぶようになった。モルモットは意思表示をするので、ミルキーちゃんに嫌なことをされると向かっていったという。

ミルキーちゃんは、「抱っこして」と背伸びして、岩木さんの胸に登ってくることがある。しかし抱き方が気に入らなければ、すぐに降りてしまう。「人にこうしてほしいと思うことは、必ずやらせる」とまるで女王様のようなふるまい。可愛い顔とのギャップがたまらないと言う。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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