「黄金都市見つけた!!」ライトアップの正体は…70年ぶりの修繕現場 世界遺産・厳島神社の大鳥居

 「宮島・厳島神社の大鳥居修繕中のライトアップ。コレを撮りたいがためにココに来た!!」「我々探検隊は、宮島の奥地にインカ帝国の黄金都市を見付けた!!」

 ユーモアたっぷりに素敵な写真をアップしたのは、大阪在住のツイッターユーザーひでむらさん。奥様との1泊旅行を計画中だったひでむらさんは、修繕工事中もライトアップを続ける世界遺産・厳島神社(広島県廿日市市)の大鳥居のことを知り、宿泊先を宮島に決めました。

 厳島神社のシンボルでもある海にたたずむ大鳥居は、建立時期は不明ですが、現在のものは1875(明治8)年に再建された8代目です。老朽化により2019年6月から修繕工事が始まり、屋根の葺き替えや塗装、部分修理などが行われています。宮島では神社周辺をメインに毎日、日没30分後くらいから午後11時までライトアップが行われており、工事中も継続されています。黄金色に輝く巨大な四角形の正体は、大鳥居に組まれた工事用足場とネットでした。

 ひでむらさんご夫婦は11日、ライトアップされた工事中の大鳥居と念願の対面を果たします。印象を聞くと、「想像以上に神々しくて綺麗だな…と思うと同時に、どうやったらスマホで綺麗に撮れるか悩みました」。普段から飛行機やロケットなどの撮影を行い、YouTubeチャンネルも持つひでむらさんらしい感想でした。

 撮影場所は厳島神社の隣。ツイッターに写真投稿後、二晩でいいねは3.4万、リツイートは1.2万を超え、現在も拡散中です。「思ったより反響あったな…と感じ、皆さんからのコメントを楽しませてもらってます」(ひでむらさん)。

■地元「今しか見ることができない」

 工事中の大鳥居の夜景写真はインスタグラムにも多数投稿されています。「黄金色に輝いている」「これはこれでかっこいい」「この姿は今だけ」「工事中だけどよかった」「ある意味貴重」「ナイトクルーズおすすめ」とさまざまな人たちの旅の感想が並びます。

 足場が組まれた大鳥居も非日常的で乙なものだと思うのですが、宮島参拝遊覧船ナイトクルーズを運営する「アクアネット広島」(広島市中区)の営業担当者に電話で話を聞くと「船の乗客数は減少しています」。コロナ禍と工事によるダブルパンチに声を落とします。予約時に工事のことを伝えると「じゃあやめておきます」と断られることも多いといいます。

 「工事用のカバーを残念がられる方が多いです。しかし前回の工事は約70年前。今しか見ることができない光景だと見方を変えていただけたら…」と珍しい光景目当ての乗客増に期待を寄せます。

 夕方から夜まで1日数便運行。遊覧時間は約30分。乗船には事前の予約電話が必要(乗船2時間前まで)。宮島参拝遊覧船ナイトクルーズ電話0829-44-0888。受付時間は午前9時から午後7時。

 大鳥居の工事終了日は未定。進捗状況の詳細は同神社のホームページで見ることができます。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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