ボンネットの中にいた子猫、猫を飼うのは子どもの頃から夢だった人と出会い17年間幸せに

にゃあちゃんは車のボンネットの中にいたのだが、ガソリンスタンドで助けられた。ガソリンスタンドで働いていた人の妻は、幼い頃からずっと猫を飼いたいと思っていて、突然の猫との出会いに心が躍った。しかし、夫は犬派。なんとかしなければと思った妻は…。

■ボンネットの中にいた子猫

新潟県に住む森田さんの夫はガソリンスタンドで働いている。1999年9月1日、森田さんが給油に行って夫と話していると、「車の中から猫の声がする。見てもらえませんか」という人が現れた。

ボンネットの中には子猫がいた。ご主人が子猫を取り出しダンボール箱に入れて持ってきた。箱の中をのぞくと、子猫はシャーッと威嚇してきたという。生後2カ月くらいだった。

森田さんの実家では、森田さんが生まれる前から犬を飼っていて、猫はだめだと言われていた。猫を飼うのは森田さんの長年の夢だった。ボンネットの中にいた子猫は可愛い顔をしている、この子を飼いたいと思った森田さんは、夫に「この子、可愛いからきれいにしたら誰かもらってくれるわよ」と言った。夫も実家で犬を飼っていたので犬派だったが、一時的に預かることは承諾してくれた。

■猫を飼う作戦

森田さんは、子猫をお風呂に入れ、油を落としてきれいにした。夫が帰宅すると「ほら見て、ふわふわでかわいいでしょ」と、さりげなくアピールした。

「里親さんを探すからねと言いましたが、自分で飼うつもりでした。一応、知り合いには声をかけましたが、真剣には探していなかったんです」

2週間後、森田さんが夫に「里親さんになってくれそうな人は誰もいないし、うちで飼っていい?」と尋ねると、「しょうがねえな」と夫は言った。

■「可愛い」は私の名前よ

名前はにゃあちゃんにした。森田さんは、にゃあちゃんが何をやっても「可愛いね」と言って育てた。「可愛い」を自分の名前だと思っているのか、「可愛い」と言うと走ってくる。

長男のことが大好きで、ずっと長男と一緒に寝ていた。ごはんをくれるわけでもないし、トイレの掃除をしてくれるわけでもないが、長男が好きだった。

にゃあちゃんと暮らし始めて、犬派だった夫は、すっかり猫派になったという。 

にゃあちゃんは、シニアになっても大きな病気もせず元気に暮らしていたが、肺炎を起こしてから1カ月、17歳で亡くなった。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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