「殿!爺はさよならは言いませんよ」…志村けんさんへの思い、桑野信義さんが告白 “家宝”の似顔絵も披露

 ミュージシャンでタレントの桑野信義さん(63)が20日、自身の公式ブログを更新し、約40年の交流があり、テレビ番組「志村けんのバカ殿様」でも長年共演した志村けんさんへの思いをつづった。また、神戸新聞社へ特別にコメントを寄せてくれた。

■「殿!またお会いできる日を」

 ブログの中で桑野さんが愛おしそうに胸に抱くイラストの中には、3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎のため急逝した志村けんさん扮するバカ殿様の姿が。「バカ殿様城を抜け出して城下から帰ってこない殿がやっと戻ってきてくれました」とユーモアを交えながら、「家宝」と呼ぶ大切な1枚を披露した。ブログの最後には、志村さんの代名詞でもあるアイーンのポーズも再現し、桑野さんらしいお茶目な姿をファンに見せた。

 さらに桑野さんは、まだ気持ちの整理がつかない中、志村さんへの思いを特別に神戸新聞社へ明かしてくれた。コメントは以下の通り。

「殿?! 何処で飲んでるんですか?? 爺はさよならは言いませんよ 殿は永遠に皆んなの心の中で 生き続けてますから 殿!またお会いできる日を 楽しみにしてますぞ! バカ殿様城 家老 桑野信義」

■似顔絵の作者「逆に応援してもらった」

 桑野さんの「家宝」となった作品の作者は、緻密なボールペン画で知られる神戸在住の画家、橋本薫さんだ。

 志村さんの訃報を聞いた橋本さんは、追悼の気持ちを込め、志村さんを主人公とした作品制作に着手。「明るいイメージの方が突然亡くなったことにショックを受けました。コロナってそんなに大変な病気なんだと。私は関西人気質なのか、常にまわりの人たちをニヤっとさせたい、笑ってもらいたいという気持ちがあります。天国の志村さんの様子を想像し描いてみました」(橋本さん)。

 似顔絵完成後、橋本さんは自身のfacebookで作品を発表。偶然、桑野さんの知人であるNPO法人「KOBE鉄人プロジェクト」事務局長の岡田誠司さん(61)の目に触れた。岡田さんは「この絵を桑野さんが見たら、元気が出るんじゃないか」と思い立ち、橋本さんと桑野さんを橋渡しした。志村さんの似顔絵は、トントン拍子で桑野さんの手元に届けられた。

 橋本さん自身、コロナ禍により制作活動が狂わされた一人だった。何カ月も前から準備を進めていた国内外の展覧会の予定は延期となり、暗い気持ちになりがちだった。そんな時、思いがけず桑野さんのもとへ作品が「お嫁入り」することとなった。「桑野さんのお手元に届き、とてもていねいにブログに掲載してくださり、私の方が桑野さんに勢いをつけてもらった。下積みの苦労を知る桑野さんだからこそ、同じ芸術家として応援してくれている気がします」と声を弾ませた。

 現在、橋本さんは桑野さんの似顔絵を制作中なのだとか。恩返しの似顔絵の完成が楽しみだ。

(まいどなニュース/神戸新聞・金井 かおる)

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