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「猫を飼うということは、その子の一生を引き受けること」保護した猫が「猫エイズ陽性」で…里親になった思い

古民家の庭にいた子猫は、飼われている様子はなく、汚れてガリガリにやせていた。猫ボランティアさんをしている山口さんの長女が子猫を保護。既に4匹の猫を飼っていたので里親さんを探すつもりだったが、検査の結果、猫エイズかもしれないと言われた。

■このままでは死んでしまう

2019年7月10日は、夏だというのに寒い、梅雨の晴れ間の日だった。千葉県に住む山口さんの長女が、1匹の子猫を拾ってきた。通学路の途中に築5、60年の民家があり、その家の庭にいたのだという。そこには大人の猫も何匹かいて、子猫も2、3匹いた。人の家に入るのもためらわれたので、「おいで、おいで」と声をかけたら、1匹の子猫が出てきた。

「子猫は被毛が汚れて薄汚く、ガリガリにやせて、風邪をひいていました。雨の日が続いていたせいか濡れていて、このままでは死んでしまうんじゃないかと思ったので、連れてきたそうです」

とにかく汚かったので、まずシャンプーしようということになった。

■猫エイズかもしれない

シャンプーをすると、毛が濡れてぺたっとなったところから草の種のようなものが出てきた。ひとつつまんでみると、脚がついているのが見えた。次の瞬間、種のようなものが一斉に移動し始めた。無数の種の正体はノミだった。

「ぞっとして、タオルにくるんで、目の細かい洗濯ネットに入れて、病院に連れて行きました。家庭で取り除けるような量ではなかったんです。慌てて診察終了間際の病院に滑りこみました」

最初、山口さんは、子猫が落ち着いたら譲渡するつもりだった。既に4匹の猫を飼っていたので、これ以上増やせないと思った。動物好きの長女にも「これ以上飼わないよ」と言った。

しかし、血液検査をすると、猫エイズの抗体が陽性だった。感染しているか判断するために生後6か月以上になったら再検査をすることになっている。幸い、エイズでない確率は高いということだった。

「猫エイズ陽性だと里親さんが見つかり難く、一方、子猫は少しでも早く里親さんを募集したほうが決まりやすいんです。でも、エイズ陽性の可能性もあったので、うちで飼おうということになったんです」

名前はソラくんにした。

■このおうちにいて良かったなと思ってもらえるように

ソラくんは、野良猫だったのでびびりで慎重。先住猫のモカちゃんやムースちゃんは、おやつがあると飛んでくるが、ソラくんはすぐには来ない。じっくり臭いをかいで、食べるまでに時間がかかる。甘えん坊で、先住猫ラテちゃんのお尻を枕にして寝るのが好き。キャットタワーのハンモックにも、他の猫と一緒に入りたがる。

「最初は寄ってこなかったんですが、看病をしているうちにすっかり甘えん坊になったんです。『ソラ』と呼ぶと、寄ってきます」

保護猫のシェルターでボランティアさんもしている山口さん。長女がミルクボランティアをしたいと言った時には、「猫は人形じゃない。20年以上生きる子もいるし、ごはんやトイレの世話をしてあげないといけないし、出かける予定があっても、猫たちの体調が悪ければあきらめなければならないこともある」。と説明した。

長女は、5匹の猫のごはんとトイレの世話をしてから学校に行っている。

「簡単に飼うというけれど、その子の一生を引き受けるということ。その子が亡くなる時に、『ああ、このおうちにいて良かったな』と思ってもらわないといけない。幸せを感じてもらわないといけないとも言いました」

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